ECサイト分析で失敗しない!7つの手順と12個の項目・指標を解説

ECサイトの運営において、商品の魅力や強みを明確に届けることは重要です。

ユーザーの使いやすいECサイトは、信用性も高まるため売上アップにもつながります。

効果的なECサイトを作るためには、分析と最適化が欠かせません。

そこで本記事では、ECサイト分析で失敗しないための7つの手順と12個の項目・指標を解説します。

本記事を参考にしながら、しっかりと分析を行い、ECサイトを改善しましょう。

ECサイト分析の手順7ステップ

では早速、ECサイトの分析手順を7ステップに分けて解説します。

  1. 目的を明確化する
  2. 現状のECサイトをデータ解析する
  3. 収集データをもとに分析する
  4. 課題点を見つける
  5. 仮説を洗い出す
  6. 施策立案・実行する
  7. 効果検証する

目的を明確化する

ECサイト分析を行う際、まず目的を明確化することが重要です。

「なぜ分析を行うのか」「どのような情報を得たいのか」を明確にしましょう。

例えば、新規顧客の獲得やリピーターの増加を図るなど、具体的な目標を設定してください。

目的を明確にすることで、後続の分析作業が効果的に進められ、成果を最大化できます。

現状のECサイトをデータ解析する

次に、現状のECサイトをデータ解析しましょう。

データ解析は、客観的な情報をもとに意思決定を行うための貴重なステップです。

Webアナリティクスツールを使用してトラフィックやユーザー行動、コンバージョン率などのデータを収集します。

収集データをもとに分析する

収集したデータをもとに、サイトの現状を詳細に分析しましょう。

データ解析を通じて、ECサイトの強みや課題を理解できます。

例えば、特定のページでの離脱率が高い場合、該当するページの改善が必要かもしれません。

課題点を見つける

データ分析を通じて、ECサイトの課題点を見つけましょう。

例えば、コンバージョン率が低い場合、購入プロセスのどのステップで問題が発生しているかを特定します。入力フォームや購入ボタンの位置など、何らかの原因があるはずです。

また、データで極端に数値が低いものや異常値がないかも確認してください。

仮説を洗い出す

見つかった課題点に対して、仮説を洗い出します。

例えば、訪問者の離脱率が高いことが課題点の場合、ページ読み込み速度を改善することで、訪問者の滞在時間を向上できるといった仮説が見いだせます。

仮説を立てることで、改善施策を立てやすくなるでしょう。

施策立案・実行する

仮説を元に、具体的な施策を立案して実行に移します。

必要な施策をいくつか立案したら、重要度や影響度に応じて、どの施策を最初に実行するか決定してください。

特に、影響度合いの大きいWebページから改善策を実行していくことが大切です。

例えば、注文ページまで到達するのに成約までに至らないなら、入力フォームの改善を最優先に行いましょう。

効果検証する

最後に、実施した施策の効果を検証しましょう。

施策の成功を確かめるための効果検証は、非常に大切です。施策の実行だけして満足してしまうと、最初に立てた目的・目標は達成できません。

施策の有効性を確認することで、今後の施策を計画する際にも役立ちます。

効果検証の結果を元に、次の施策や改善アクションを計画して、継続的な最適化を目指しましょう。

ECサイト分析で外せない13個の指標

それでは、ECサイト分析で外せない13個の指標について解説します。

  1. 利益・売上高
  2. アクセス数
  3. 流入元
  4. CVR(コンバージョンレート)
  5. CPA(顧客獲得単価)
  6. LTV(生涯顧客単価)
  7. ユーザーセグメント
  8. 離脱率
  9. 直帰率
  10. スクロール率
  11. リピート率
  12. ROAS(費用対効果)
  13. ROI(投資収益率)

利益・売上高

利益と売上高は、ECサイトの成功を計る基本的な指標で、以下の計算式で算出されます。

「売上高=セッション数×CVR×顧客単価」

売上高が伸び悩んでいる場合、計算式のどの数値を改善するべきかによって、具体的な改善策の方向性が見えてきます。

例えば、訪問ユーザー数が少ない場合、流入を増やすために、SEOの強化や広告の強化が必要になるでしょう。

なお利益率は、売上に対する利益の比率で、以下のように計算されます。

「利益率=総利益÷売上×100」

ECサイトの収益性を把握するには、売上高だけでなく利益率の2つの視点が必要です。

また、売上の中でも商品カテゴリーや販売地域ごとの利益を分析することで、改善策も絞れるでしょう。

アクセス数

アクセス数は、サイトの知名度や注目度を示す基本的な指標です。

高いアクセス数は、サイトへの関心の高さや人気を示しており、以下の計算式で算出します。

「アクセス数 = ページビュー数 ÷ 訪問回数」

アクセス数が多いにもかかわらず、売上が伸び悩んでいる場合、サイトのコンテンツやUI/UX、商品の魅力が不足している可能性が考えられます。

一方、アクセス数が少ない場合は、SEO対策や広告運用の実行といった対策を考えましょう。

流入元

流入元は、訪問者がどこからサイトにアクセスしたのかを示す指標です。

検索エンジンやSNS、直接アクセス、リファラーサイトなど、どの流入ルートからアクセスされたかを可視化できます。

流入元の情報で、どのプラットフォームや戦略が効果的であるか把握できます。

例えば、特定のSNSキャンペーンからの流入が多い場合、キャンペーンやSNSの利用者層がターゲットに適していると考えられます。

流入元の分析によって、マーケティング戦略の最適化や広告予算の再分配など、効果的な施策を考えやすくなるでしょう。

CVR(コンバージョンレート)

CVRは、サイト訪問者の中で何人が実際に購入や問い合わせをしたのかを示します。

ECサイトの効果性やユーザビリティを測る上で非常に重要な数字です。

具体的には、以下の計算式で算出します。

「CVR = コンバージョン数 ÷ 訪問者数 × 100」

例えば、1000人の訪問者中100人が商品を購入した場合のCVRは10%。

CVRが低い場合、サイトデザインの問題や価格の競争力不足、購入プロセスの複雑さなど、多くの原因が考えられます。

CVRを向上させるためには、購入プロセスの簡略化やマーケティング施策の最適化など、サイトの改善点やユーザのニーズに応じた対策が必要です。

CPA(顧客獲得単価)

CPA(顧客獲得単価)は、一人の顧客を獲得するためにかかった広告費用を示す指標です。

マーケティング活動の効率性を測る際に必要なデータで、計算式は以下の通り。

「CPA=広告費用÷コンバージョン数」

例えば、広告費用が10万円で、それによって100人の新規顧客を獲得した場合、CPAは1,000円。CPAを低く維持できている状態は、効率的なマーケティングができていることを意味します。

一方、特定の広告キャンペーンが高いCPAの場合は、費用面と効果を見直しましょう。

LTV(生涯顧客単価)

LTV(生涯顧客単価)は、一人の顧客がビジネスにもたらすと予想される全体の収益を示す指標です。

LTVの計算は、顧客がビジネスとの関係を維持する期間中に生じる収益の総額で、計算式は以下の通り。

「LTV=顧客単価×収益率×購入頻度×顧客の平均継続期間」

例えば、顧客が平均で1回の購入で10,000円を支払い、収益率は50%で年に6回購入、平均で5年間継続したとすると、LTVは150,000円。

LTVが低い場合やLTVがCPAを下回る場合は、顧客獲得の効率や顧客の満足度、商品やサービスの価値提案の再評価が必要です。

高いLTVは、リピート率が高いことを意味するため、ビジネスの安定性にもつながります。

ユーザーセグメント

ユーザーセグメントは、訪問者や顧客を特定の属性や行動基盤で分類する手法です。

例えば、購入履歴や地域、年齢、性別、アクセスデバイスなどの属性をもとに、顧客をいくつかのグループに分けられます。

ECサイトの運営において、すべての顧客に同じアプローチを行うのは非効率です。

それぞれのセグメントに合わせて最適な商品やサービスを提供することで、より高いコンバージョン率や顧客満足度を得られます。

離脱率

離脱率は、訪問者がサイト内で特定のページを閲覧した後、他のページへ移動せずにサイトを退出する割合を示す指標です。

離脱率は、以下の計算式で算出します。

「離脱率=特定のページでの離脱数÷そのページの全訪問数×100」

例えば、商品ページを1,000人が訪れ、そのうち300人が他のページを訪れずにサイトを退出した場合の離脱率は30%。

離脱率が高い場合、情報がユーザーのニーズに合っていない、ユーザビリティに問題があった可能性が考えられます。

ページ内容の充実やデザインの改善、読み込み速度の最適化など、さまざまな要因を検討して対策を行いましょう。

直帰率

直帰率は、訪問者がサイトの最初に表示されたページで離脱する割合を示す指標です。

直帰率が高い場合、ページのデザインやコンテンツの質、ページの読み込みスピードが遅いなどの理由が考えられます。

特に、広告からの流入ユーザーの直帰率が高い場合は、広告費が無駄になってしまうので注意しましょう。

スクロール率

スクロール率は、訪問者がウェブページをどれだけスクロールしたかを示す指標です。

特にコンテンツが長いページやランディングページでのユーザーの関心を把握するのに役立ちます。

ページの一番下までスクロールした場合、スクロール率は100%です。

スクロール率が低い場合、ページの上部のコンテンツがユーザーの関心を引きつけられていない可能性が考えられます。

スクロール率と他の指標を組み合わせて分析することで、ユーザーエクスペリエンスの全体的な改善点も見つけやすくなるでしょう。

リピート率

リピート率は、ECサイトを再訪したユーザーの比率を示す指標です。主に顧客のロイヤリティやサイトの魅力を測るのに役立ちます。

低いリピート率は、ユーザーエンゲージメントや顧客満足度の低さを意味するため、改善が必要です。

リピート率を向上させることで、より効率良く売上を伸ばせるでしょう

ROAS(費用対効果)

ROASは、広告費に対する収益の効果を示す指標です。

マーケティングの効率性を測定するための重要な指標として、特に広告キャンペーンのパフォーマンス分析に利用されます。

ROASの計算式は、以下の通り。

「ROAS=広告による収益÷広告費用×100」

例えば、50万円の広告費用で、200万円の収益を上げた場合、ROASは400%になります。

ROASが低い場合、広告キャンペーンの効果が不足している可能性があり、戦略の見直しやターゲティングの最適化が必要です。

ROASだけを指標として使用するのではなく、CPAやCVRと組み合わせて全体のマーケティング活動の効果を総合的に評価しましょう。

ROI(投資収益率)

ROIは、行った投資に対する収益の割合を示す指標です。

ROIの高さは、投資が効果的であることを意味します。
計算式は以下の通り。

「ROI=(収益-投資額)÷投資額×100」

100万円を投資して、150万円の収益を上げた場合、「ROI=(150万円-100万円)÷100万円×100=50%」になります。

ROIを利用することで、最も収益性が高い投資や、改善余地のある戦略を判断する材料として役立ちます。

ECサイトのアクセス解析ツールおすすめ3選

では、ECサイトのアクセス解析ツールとして、おすすめのサービスを3つご紹介します。

  1. Googleアナリティクス
  2. Google Search Console(グーグルサーチコンソール)
  3. Tableau(タブロー)

Googleアナリティクス

運営会社 Google LLC
利用料金 無料
機能 PV数
ユーザー数
流入数
離脱率
直帰率
セッション数
コンバージョン率など
公式サイト https://analytics.google.com/analytics/

Google Analyticsは、世界中の企業から利用されている最も代表的なWeb解析ツールです。

ホームページに流入した後の情報データを解析できます。

トラフィックデータやユーザーの行動パターン追跡など、数値やURLを中心にした分析が可能。

カスタムレポート機能も備えているので、目標に合わせた指標でWebサイトを評価できます。

Google Search Console(グーグルサーチコンソール)

運営会社 Google LLC
利用料金 無料
機能 検索キーワードの表示回数
クリック数
平均掲載順位など
公式サイト https://search.google.com/search-console

Google Search Consoleは、検索エンジン最適化(SEO)の観点からホームページのパフォーマンスを分析するためのツールです。

検索キーワードの表示回数やクリック数、平均掲載順位など、ホームページへ流入する前の情報データを解析できます。

検索エンジンでの表示状況や検索キーワードの効果を把握するのに役立てられるでしょう。

Tableau(タブロー)

運営会社 Tableau Software, LLC
利用料金 Tableau Viewer:月額15ドル(約2,200円)
Tableau Explorer:月額42ドル(約6,300円)
Tableau Creator:月額75ドル(約11,230円)
機能 データの可視化
ドラッグ&ドロップでのデータ分析
リアルタイムデータ分析
外部データ連携など
公式サイト https://www.tableau.com/ja-jp

Tableauは、企業に蓄積されたデータを分析・可視化するツールです。

マウス操作だけで簡単にレポートが作成可能。さまざまなデータソースからの情報を視覚的に分析できます。

ECサイトの運営においては、売上データやアクセスデータ、ユーザーの行動データなどを取り込むことが可能です。

一目で分かるようなグラフやチャートは、データ分析の手間も省けるでしょう。

ECサイトのヒートマップツールおすすめ3選

ECサイトのヒートマップツールとして、おすすめのサービスを3つご紹介します。

  1. ミエルカヒートマップ
  2. User Heat(ユーザーヒート)
  3. Mouseflow(マウスフロー)

ミエルカヒートマップ

運営会社 株式会社Faber Company
利用料金 無料
ミニマム:月額9,800円
ビジネス:月額19,800円
ファースト:月額49,800円
エキスパート:月額99,800円
スーパー:月額149,800円
機能 アクションヒートマップ
クリックヒートマップ
スクロールヒートマップなど
公式サイト https://mieru-ca.com/heatmap/

ミエルカ ヒートマップは、ユーザーがサイト上で注目している部分を可視化するツールです。

ヒートマップ上に、色の濃淡やパーセンテージで可視化されるので、一目でユーザー行動の特徴が把握可能。

UI/UXの改善に効果的な機能も充実しています。

ユーザーの行動を把握することで、ページの改善やコンバージョン最適化につながるでしょう。

User Heat(ユーザーヒート)

運営会社 株式会社ユーザーローカル
利用料金 無料
機能 熟読エリア分析
クリックエリア分析
終了エリア分析など
公式サイト https://userheat.com/

User Heatは無料で利用できるヒートマップ解析ツールです。

ユーザーの動きや興味のポイントを色の濃淡で表示できます。

数値だけでは分析できないユーザーの行動を可視化して分析可能。

ウェブサイトの使いやすさや改善点を簡単に洗い出すのに役立つでしょう。

Mouseflow(マウスフロー)

運営会社 Mouseflow ApS
利用料金 無料
スターター:月額7,000円
グロース:月額22,000円
ビジネス:月額43,000円
プロ:月額83,000円
エンタープライズ:要問い合わせ
機能 クリックヒートマップ
スクロールヒートマップ
ムーブヒートマップなど
公式サイト https://mouseflow-jp.com/

Mouseflowは、デンマーク発のヒートマップツールです。

訪問者のマウスの動きやクリックの位置、スクロールの深さなどを詳細に分析可能。

特に、フォームの離脱率を低減させるための分析や、コンバージョンに至るまでのユーザーフローの最適化に役立ちます。

ECサイトのA/Bテストツールおすすめ2選

ECサイトのA/Bテストツールとしておすすめのサービスを2つご紹介します。

  1. juicer(ジューサー)
  2. SiTest(サイテスト)

juicer(ジューサー)

運営会社 ログリー株式会社
利用料金 無料
各種オプション機能(有料)
機能 A/Bテスト
マルチバリアントテスト
URLのリダイレクトテスト
アドバンスドターゲティング
オーディエンス統合など
公式サイト https://juicer.cc/

juicerは、ユーザー属性の分析を目的としたデータ管理プラットフォームツールです。

ウェブサイトのコンバージョン率を向上させるためのA/Bテストやペルソナ分析を実施できます。

異なるページバリエーションを簡単に作成し、どのバリエーションがユーザーにとって最も効果的であるかをテスト可能。

Google Analyticsとの連携も可能なため、ウェブサイトのパフォーマンスを詳細に分析できます。
より効果的なコンテンツとユーザーエクスペリエンスを提供するのに役立つでしょう。

SiTest(サイテスト)

運営会社 株式会社グラッドキューブ
利用料金 要問い合わせ
機能 A/Bテスト
エントリーフォーム最適化
データ比較機能
ヒートマップなど
公式サイト https://sitest.jp

SiTestは、コンバージョン率の向上に特化したオールインワンツールです。

ヒートマップやユーザーセッションの録画といった分析機能の提供。

訪問者の行動を視覚化して、ユーザビリティの向上やコンバージョンの最適化に役立ちます。

解析レポートも自動で作成されるため、分析や効果測定も効率的に進められるでしょう。

ECサイトのおすすめ顧客情報管理ツールはSalesforce

ECサイトのおすすめ顧客情報管理ツールは、Salesforceです。

運営会社 Salesforce.com, Inc.
利用料金 月額3,000円~
機能 CRM
営業・カスタマーサポート・マーケティングのオートメーション
データ解析と予測AIなど
公式サイト https://www.salesforce.com/jp/

Salesforceは、世界中で最も人気のあるクラウドベースのCRMツールです。
多岐にわたる機能とモジュールで、顧客データの集約から分析、アクションに変換することが可能です。
特にECサイト運営者には、一貫したカスタマーエクスペリエンスの提供や、顧客のライフサイクル全体のトラッキングに有効でしょう。

ECサイトのおすすめWeb接客ツールはKARTE

ECサイトのおすすめWeb接客ツールは、KARTEです。

運営会社 株式会社プレイド
利用料金 要問い合わせ
機能 リアルタイムの顧客分析
個別の顧客接触
シナリオベースの自動マーケティング
ヒートマップとセッション録画
チャットサポート
ターゲティング設定
公式サイト https://karte.io/

KARTEは、Webサイトの訪問者一人一人をリアルタイムで理解し、最適化するためのWeb接客ツールです。

ユーザビリティの向上やコンバージョンの最適化、リピート購入の促進など、さまざまな目的に対応する機能が揃っています。

顧客の行動やニーズを理解し、パーソナライズされたコンテンツやキャンペーンを提供するために役立つでしょう。

まとめ:ECサイトを分析して集客・売上アップを実現させよう

ECサイトの運営において、単に商品を販売しているだけでは売上も伸ばせません。

ECサイトの成功には、データ分析と最適化が不可欠です。

サイトのアクセスやユーザーの行動をしっかりと分析し、課題点を把握する必要があります。課題点を解消するための施策を実行することが重要です。

改善のサイクルを繰り返し実行して、サイトの品質向上とユーザーエクスペリエンスの最適化を実現させましょう。