ECサイトのコンバージョン率(CVR)の平均は?上げる改善策11選

ECサイトの売上を伸ばすためには、成約につながるコンバージョン率の向上が欠かせません。

コンバージョン率が高ければ、成約件数が増えるため収益も増加します。

そこで本記事では、ECサイトのコンバージョン率の平均や、さらに伸ばすための改善策を11選紹介します。ECサイトを運営していて、売上に伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

ECサイトのコンバージョン率とは?

ECサイトにおけるコンバージョン率(CVR)は、Webサイトに訪問したユーザーが実際に商品を購入する割合を示す指標のこと。どれほど売上に直結しているかが可視化できる割合です。

例えば、アクセスユーザーが100人いてコンバージョン率が10%であれば、10人が商品を購入したとわかります。

訪問するユーザー数は多いのに、売上が少ないと感じるなら、コンバージョン率は低いでしょう。

売上を増やすためには、コンバージョン率の改善が欠かせません。

訪問ユーザー数が増えなかったとしても、コンバージョン率を改善することで売上を増やすことが可能です。

コンバージョン率の計算方法

コンバージョン率の計算方法は、以下の簡単な数式を使用します。

「コンバージョン率=コンバージョン数÷サイト訪問者数×100」

例えば、1日に1,000人の訪問者がいて、そのうち50人が商品を購入した場合、コンバージョン率は次のように計算できます。

コンバージョン数(50人)÷サイト訪問者数(1,000人)×100=5%

このケースにおけるコンバージョン率は5%です。

コンバージョン率を定期的にモニタリングし、改善策を実施することで、ECサイトの売上も伸ばせます。

ECサイトのコンバージョン率の目安・平均

アメリカの調査会社Wordstreamのデータ「2022 Google Ads & Microsoft Ads Benchmarks for Every Industry」によると、ECサイトのコンバージョン率は、3%程度が一般的とされています。

つまり、100人の訪問者がいる場合、平均3人の訪問者が購入または目的のアクションを実行しているとわかりました。

ただし、あくまで平均値であり、業界や商品の種類によってもコンバージョン率は異なります。

ECサイトのコンバージョン率が低下する3つの要因

ECサイトのコンバージョン率が低下する要因は、主に3つあります。

  1. 市場や環境の変化に順応できていない
  2. ユーザーにとって使いづらいサイトになっている
  3. ターゲットとアクセスユーザーがズレている

市場や環境の変化に順応できていない

市場や環境の変化に順応できないと、ECサイトのコンバージョン率は低下する危険性が高まります。

常に変化する顧客ニーズや競合状況に合わせて、戦略やアプローチを取りましょう。

例えば、市場トレンドや消費者の好みが変わった場合、商品ラインナップやマーケティング戦略の調整が欠かせません。

データと統計情報を活用して市場動向を把握し、迅速に対策を講じることで、コンバージョン率も高められます。

さらに、顧客のフィードバックを収集し、サイトの改善に役立てることも大切です。

ユーザーにとって使いづらいサイトになっている

ECサイトがユーザーフレンドリーでない場合、使いづらさからストレスにつながり、離脱されやすい要因になります。

そこで、どの点に使いづらさを感じるか?を把握して改善が求められます。

例えば、ページの読み込みが遅いとユーザーはストレスを感じ、サイトを離れる可能性が高まります。

対策としては、高速なサーバー導入を検討し、画像やコンテンツの最適化を行うなどが挙げられます。

また、ナビゲーションが複雑で分かりにくい場合でも、ユーザーは商品を見つけるのが困難になります。

このケースでは、シンプルで直感的なナビゲーションメニューを使って、ユーザーの利便性を向上させましょう。

ターゲットとアクセスユーザーがズレている

ECサイトのターゲットと実際のアクセスユーザーが一致しない場合、コンバージョン率は低下する可能性が高まります。というのも、想定ターゲット層が異なることで、ユーザーが求めているものとズレが生じるからです。

ターゲットとのズレを解消し、適切なユーザーへ向けた戦略が求められます。

例えば、「ターゲット層にニーズの高い情報は何か?」「どのような悩みを抱えているのか?」を明確にし、そこに対するコンテンツの作成は有効でしょう。

また、ターゲットの年齢層がよく利用している決済手段に対応させておくのも施策の一つです。

ズレを解消するために、分析ツールを使用して入念に分析しましょう。

ECサイトにおけるコンバージョン率の改善策11選

それでは、ECサイトにおけるコンバージョン率の改善策11選を紹介します。

  1. ターゲット・ペルソナを明確に設定する
  2. トップページのデザインを改良する
  3. 商品購入までの導線を見直す
  4. モバイル端末に最適化する
  5. 複数パターンの商品画像を入れる
  6. お得なクーポンを発行する
  7. 商品レビュー・事例紹介で信頼性を高める
  8. 入力フォームを使いやすく最適化する
  9. カゴ落ち防止対策をする
  10. 決済手段を充実させる
  11. コンバージョン率改善に役立つツールを取り入れる

ターゲット・ペルソナを明確に設定する

ECサイトの成功には、明確なターゲット・ペルソナの設定は欠かせません。

ターゲットのニーズや好みに合わせたコンテンツの発信や商品の訴求をすることが、コンバージョン率の向上につながります。

ペルソナとして入れておきたい項目は、主に以下の通りです。

  • 年齢
  • 性別
  • 職業・役職
  • 年収
  • 家族構成
  • 趣味・興味関心
  • 好きなお店
  • 価値観・目標
  • 生活習慣

ペルソナを設定したうえで、どのようなデザインやコンテンツにするのか設計しましょう。

ペルソナに合わせて、サイトのデザインやコンテンツの簡潔な例を以下に挙げてみました。

20代男性:若々しさやトレンドを意識したもの
40代女性:シンプルなナビゲーションと分かりやすい情報

このように、ターゲットやペルソナを明確に設計しておけば、軸をズラさずに済みます。

トップページのデザインを改良する

ECサイトのトップページは、訪問者の第一印象を左右し、コンバージョン率に大きな影響を与えます。

デザインを改良し、使いやすく魅力的なトップページを提供することが重要です。

魅力的な商品画像やコンテンツを配置し、特集商品やお得な情報を目立たせましょう。

また、迅速なナビゲーションメニューを設け、訪問者が簡単に目的の商品にアクセスできるように工夫することも効果的です。

商品購入までの導線を見直す

ユーザーが商品購入までの導線を見直すことは、コンバージョン率の向上につながります。

シンプルで直感的な導線を設計し、不要なステップは取り除きましょう。

商品の選択からカートを表示させ、決済手続きのステップを最適化することが重要です。

モバイル端末に最適化する

スマートフォンが主流の現代において、モバイル端末への最適化は必須といえます。

電車内や移動先で商品を購入するケースも多くあります。そうした場面では、スマートフォンの使用率は高いでしょう。

表示に時間がかかるECサイトでは、満足度は高まりません。

そこで、サイトをモバイルフレンドリーな設計にし、スピーディな読み込み速度を提供し、ユーザーの利便性を高めることが重要です。

レスポンシブデザインを採用し、画面サイズに合わせてコンテンツが最適に表示されるように設計しましょう。

また、スマホ向けの特別なプロモーションやオファーを用意することも、コンバージョン率を向上させる手段の一つです。

複数パターンの商品画像を入れる

商品の魅力を最大限に引き立て、顧客の興味を引くために、複数のパターンの商品画像を提供しましょう。

例えば、商品の異なる角度からの写真や拡大写真、製品の機能や特徴を示す画像などを用意します。

顧客はより詳細な情報を得られるので、購買意欲も高まるでしょう。

さらに、ユーザーが画像をクリックすると拡大表示できるようにし、高品質で鮮明な画像提供も効果的です。顧客が商品について正確なイメージを持てるように心掛けましょう。

お得なクーポンを発行する

顧客の購買意欲を高める一つの方法は、お得なクーポンや割引コードを提供すること。お得なクーポンは、顧客に特別感を与えて、商品の購買を促進できます。

例えば、アパレルブランドの「夏の大セール」期間中のみ利用できる、20%オフのクーポンコードを、メルマガ読者やSNSフォロワーへ向けて配布します。

クーポンを発行する際には、期限や条件を明確に示し、顧客に対して透明性を提供しましょう。

また、クーポンは簡単に利用できるように、決済ページに入力欄を配置することも重要です。

商品レビュー・事例紹介で信頼性を高める

顧客の信頼を獲得して購買意欲を高めるために、購入された方の商品レビューや事例紹介を積極的に表示しましょう。

実際の顧客の声や体験は、新規顧客にとって信頼性のある情報ソースです。商品ページには、顧客からの評価やコメントを掲載し、商品の長所や短所を客観的に示します。

また、顧客が商品を実際にどう使用したかを示す事例紹介も有効です。

見込み客は、商品購入後のイメージがしやすくなり、コンバージョン率の向上が期待できます。

入力フォームを使いやすく最適化する

ECサイトの入力フォームは、顧客が情報を提供し、購入手続きを完了するための重要な要素です。

入力フォームを使いやすく最適化することは、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、コンバージョン率を向上させます。

入力フォーム欄は必要最小限に抑え、冗長な情報の収集を避けましょう。

また、自動入力される仕組みの導入も有効です。ユーザーに入力エラーをわかりやすく表示させる工夫も必要でしょう。

モバイルデバイスでの入力にも配慮して、タップしやすいボタンやフォントサイズを取り入れることも大切です。

カゴ落ち防止対策をする

カゴ落ちを防止することで、コンバージョン率を改善できます。

そもそもカゴ落ちとは、ショッピングカートから商品を削除して購入手続きを中断すること。カゴ落ちを防止するために、以下の対策を取りましょう。

  • カート内容の保存機能で、後で続きから購入手続きを行える状態にする
  • カートへアイテム追加時に、リマインダーメッセージやポップアップを表示
  • ショッピングカートページで価格や送料を明確に表示して誤解を防止
  • カートに商品が残っている場合、メールリマインダーを送信して購入を促進

手続き途中に急用が入り、続きは後からするケースもあります。そうしたシーンも想定してカゴ落ち防止対策をしてください。

決済手段を充実させる

顧客に多様な支払いオプションを提供することは、コンバージョン率の向上につながります。

顧客によって利用可能な支払い方法が異なるため、多くの選択肢を提供することが重要です。

例えば、下記のような決済手段があると便利でしょう。

  • クレジットカード
  • デビットカード
  • 銀行振込
  • コンビニ決済
  • キャリア決済
  • 電子マネー
  • 代金引換
  • 後払い決済

幅広い選択肢から自由に選べると、決済のハードルを下げられます。

なお、クレジットやキャリア決済などの場合、セキュリティ強化も大切です。顧客の支払い情報を保護するためにSSL暗号化といったセキュリティ対策を施しましょう。

コンバージョン率改善に役立つツールを取り入れる

ECサイトのコンバージョン率を向上させるために、さまざまなツールやテクノロジーを活用できます。

主に役立つツールを下記の表にまとめました。

ツール名 説明
A/Bテストツール 異なるデザインやコンテンツをテストし、最適なバージョンを特定します。
Webアナリティクスツール サイトのトラフィックパターンやユーザー行動を追跡し、改善の方針を見つけます。
レビューシステム 商品の評価とレビューを収集し、顧客の信頼性を高めます。
リターゲティング広告 サイトを訪れた顧客に広告を表示し、再度購買に導きます。

こうした分析ツールの活用によって、より効率良く的確な分析・改善を行えます。

詳しい分析方法については、こちらの記事で解説しているので参考にしてみてください。

ECサイト分析で失敗しない!7つの手順と12個の項目・指標を解説

まとめ:ECサイトのコンバージョン率を高めて喜ばれるサイトを作ろう

ECサイトの成功には、「集客×コンバージョン率」の掛け合わせが必要不可欠です。

集客に力を入れるだけではなく、コンバージョン率を上げることで効率よく売上を伸ばせます。

コンバージョン率を高めるためには、ユーザー視点からサイトを分析して、改善策の実施と継続的なモニタリングが欠かせません。

改善策は多くありますが、自社のサイトに合わせたものを試してみることが大切です。

ユーザーエクスペリエンスの向上と信頼性の確保を念頭に置きながら、ユーザーから選ばれるECサイトを構築しましょう。