自社ホームページ制作をしたいけど、全体の流れについてのノウハウや、制作会社の選び方が分からない……
自社ホームページ制作やリニューアルの経験がない場合、何から手を付ければよいか分からないことも多いはずです。制作会社も関わるホームページ制作では、下準備や流れを把握した上で、プロジェクトを進めていかなければいけません。
そこで本記事では、ホームページ制作会社の選び方や事前に済ませておくべきタスクを紹介していきます。
この記事の内容
ホームページ制作会社を選ぶ前にしておくべき重要なタスク

ホームページ制作を制作会社に委託する前に、社内でいくつかのタスクをこなしておく必要があります。委託前の下準備は、以下7つのタスクです。
- ホームページ制作の目的を明確にする
- ホームページのターゲット層は誰か決定する
- アピールポイントや強みを洗い出す
- 制作にかけられる予算を決定する
- 参考サイトをリストアップする
- 公開日を決定する
- RFP(提案依頼書)を作成する
制作会社との連携を含めた全体のスムーズさに影響するため、本章で紹介する下準備はしっかりと済ませておくようにしましょう。
ホームページ制作の目的を明確にする
まずは、自社ホームページの制作目的を明確にしておきましょう。たとえば、新規立ち上げであれば新規顧客獲得、リニューアルであれば旧ホームページの問題点解消など、ホームページを作る目的はさまざまです。
一方、制作会社も集客やデザイン、機能性など、得意とする領域は異なります。ここでホームページの制作目的を定めておくことで、後に制作会社を選ぶ際の指針とすることが可能です。
ホームページのターゲット層は誰か決定する
続いて、ホームページのターゲット層を明確にしましょう。制作会社に希望のデザインを伝える際に重要なファクターとなります。
たとえば、顧客をターゲットとするのか、求職者をターゲットにするのかによって、ホームページのデザイン性は大きく変わってくるでしょう。
依頼者側の意図を制作会社に伝えやすくするためにも、サイトイメージの骨子となるターゲット層の設定は、依頼前にマストでこなしておくべきタスクの一つです。
アピールポイントや強みを洗い出す
自社のアピールポイント・強みの洗い出しは、ホームページの最終的な形に大きく関わる工程です。ホームページで強調するのは自社商品・サービスなのか、事業内容なのかによって、レイアウトやデザインが全く違う仕上がりになります。
一方、アピールポイントをどこに置くのか洗い出しを行わないまま制作を依頼してしまうと、魅力がいまいち伝わらない、メリハリに欠けた仕上がりになってしまうリスクがあります。
制作にかけられる予算を決定する
事前にこなしておくべき最後のタスクは、制作予算の決定です。予算はプロジェクトの枠組みを決定づける大切な要素ですが、ホームページ制作においても、仕上がりを左右するため欠かせません。
また、ホームページ制作会社も料金設定はさまざまです。予算感が曖昧であれば、制作会社の選定がしづらくなり、スケジュールが間延びする可能性もあります。反対に、予算をしっかりと決めることで、制作会社の選定も楽になるでしょう。
参考サイトをリストアップする
理想とするホームページの完成形をイメージするために、参考サイトをいくつかリストアップしましょう。
制作会社との打ち合わせ時にも、具体的な参考例があればデザインの方向性や構成のイメージを共有しやすくなります。
特に「デザインの雰囲気」「レイアウトの使い方」は、言葉ではうまく伝えきれません。そこで「この部分を自社サイトにも取り入れたい」と具体的に示すと、ミスマッチ防止につながるでしょう。
公開日を決定する
ホームページ制作をスムーズに進めるには、公開希望日を決めておきましょう。
「◯月中に公開したい」「イベントに合わせて◯月◯日までにリリースしたい」など、明確なスケジュールを設定すると、制作会社も作業計画を立てやすくなります。
また、クオリティを保ちながら制作を進めるには、ある程度の期間的余裕も持ってください。
一般的には、企画から公開まで3〜4か月を目安にするケースが多いですが、サイトの規模や要件によって変動します。
納期を優先しすぎると品質が犠牲になるリスクがあるため、目的に合った現実的な公開スケジュールを設定しましょう。
RFP(提案依頼書)を作成する
質の高いホームページを制作するには、RFP(提案依頼書)を作成しておくとよいでしょう。
RFPとは、制作会社に対して「こういうサイトを作りたい」「こんな提案がほしい」と伝えるドキュメントです。
具体的には、以下の項目があるとよいでしょう。
発注側の情報やプロジェクトの全体像について
- 会社概要
- 制作理由
- 現在抱えている課題
- プロジェクトの目的・ゴール
- 想定予算
- 希望スケジュール・公開希望日
- 依頼範囲
- 現行のシステム環境
- 運用体制
提案する依頼内容について
- どんなことを提案してほしいか
- 必要な機能
- 非機能要件
- 具体的な数値目標
- 使用言語や技術
- 自社側・制作会社側の役割分担イメージ
- プロジェクトの進行方法
- 保守・運用体制
- インフラ要件
- 納品条件
- 希望する実績、類似サイトがあれば参考実績
- 想定ターゲット
- コンテンツ提供の範囲
作成する際は、制作会社が内容を正しく理解できるよう、曖昧な表現は避け、具体的かつ明確な記述を心がけましょう。
なお、内容に機密情報や制限のある情報が含まれる場合は、その旨を明示し、必要に応じてNDA(秘密保持契約)を締結する旨を記載すると安心です。
ホームページ制作会社を見極める7つの選び方

それでは、ホームページ制作会社を見極める上で役に立つ以下7つの選び方を紹介していきます。
- 制作会社の実績で選ぶ
- 制作体制の充実度で選ぶ
- コミュニケーションの質で選ぶ
- 制作会社の強みで選ぶ
- 制作費の見積もりや納期で選ぶ
- サポート体制の充実度で選ぶ
- 集客支援など制作後のサービス範囲で選ぶ
制作会社選びはノウハウがなければ難しいため、ここで解説する選び方を参考に、制作会社の選定を行ってみてください。
制作会社の実績で選ぶ
制作会社の実績は選定を行う上で重要なポイントです。
たとえば、過去にどのような業種の企業ホームページを制作してきたのか、制作実績の数や請け負ってきた企業の大きさなどを確認できます。
予算をかけて外注する以上、絶対に失敗はしたくありません。そこで、実績が極端に少ない制作会社を避け、過去実績の充分な企業に依頼をかけるのは、最も無難な選び方の一つと言えます。
制作体制の充実度で選ぶ
続いて、制作体制の充実度も確認しましょう。制作会社のホームページを見れば、どのような体制で制作にあたっているのか、外からでも得られる情報はあります。
たとえば、制作メンバーに外注が多ければ、社内の連携面に少し不安が残るかもしれません。反対に、業務を全て内製のメンバーで行っていれば、教育もできており、コミュニケーション面でも不安材料は少ないでしょう。
出来る限り、内製のメンバーを中心にサイト制作を行っている会社を選ベれば、連携もとりやすく、イメージに近いサイトを実現しやすいです。
コミュニケーションの質で選ぶ
サイト制作を依頼するにあたって、制作会社との連携は欠かせません。
具体的には、サイトイメージを制作側に汲みとってもらえなければイメージ通りのホームページを完成させるのは難しくなるでしょう。そこで、制作会社とのコミュニケーションの質は、重要視すべきポイントの一つです。
その他、制作会社の提案力や依頼後のコミュニケーション方法なども確認しておきましょう。できれば、対面での打ち合わせが可能な制作会社を選ぶことをおすすめします。
制作会社の強みで選ぶ
制作会社の得意とする領域で選ぶのも、有効な選定ポイントの一つです。
デザインや集客など、ホームページ制作会社の強みは制作会社によってさまざまです。そのため、制作したいサイトイメージを実現出来そうな制作会社に依頼をしましょう。
デザインを重視したい場合は、特化した制作会社を、集客や顧客獲得を目的とする場合には集客力の高い制作会社に依頼を検討してください。そのために、目的に合った分野に強みのある制作会社を探す必要があります。
制作費の見積もりや納期で選ぶ
予算設定は、事前準備の項目として先述しましたが、同時に納期もある程度のイメージを持っているでしょう。一方、制作費の見積もり、依頼から納品までの期間は、制作会社によって融通の利き方が異なります。
そのため、事前に設定した予算やイメージしている納期にマッチしているかどうかで、制作会社を選定するのも重要なポイントの一つです。
サポート体制の充実度で選ぶ
依頼したホームページが納品されても、その後は次のような運用を行っていく必要があります。
- ブログ更新
- ホームページ修正
- CMS(WordPress)のメンテナンス
- サーバー・ドメインの管理・維持
- アクセス解析
- レポ―ディング
しかし、CMSのメンテナンスなど、専門知識が必要な業務も多いため、社内に人材がいない可能性も少なくありません。そのため、納品後の運用サポートの充実度も、制作会社の選定を行う場合には一つの判断材料になります。
集客支援など制作後のサービス範囲で選ぶ
新規顧客獲得や集客の成功など、目に見える成果が出て初めて、ホームページの効果を得られます。そのため、SEO対策やMEO対策といった集客施策は欠かせません。
こうした観点から、制作会社を選ぶ判断基準の一つとして、集客支援を始めとした制作後のサービス範囲の広さも挙げられます。
たとえば、集客支援のためにSEO対策やMEO対策を代行して行ってくれるサービスがあれば、トータルでのサポートが期待できます。
ホームページ制作会社を選ぶ際の要注意ポイント

ホームページ制作会社の選定を行う際、いくつかのポイントに注意することで失敗するリスクを抑えることが可能です。
ここから紹介する以下4つのポイントに注意しつつ、制作会社選びを行ってみてください。
- デザイン重視の制作会社には注意する
- システム重視の制作会社にも注意する
- 格安の制作会社は中長期的に割高になる恐れがある
- 納品形式を確認する
デザイン重視の制作会社には注意する
ホームページデザインは重要な要素ですが、デザイン重視の制作会社には注意しましょう。見栄えの良いデザインばかりに注力しても、集客効果は期待できません。
デザインにこだわりつつも、SEO対策をはじめ、集客を前提とした制作に強い会社を選定しましょう。
システム重視の制作会社にも注意する
制作会社の中には、デザイン面よりも機能面の充実に重きを置いている企業も存在します。
しかし、企業のコーポ―レートサイトに求められるサイトスペックは、さほど高くありません。必要以上のシステムを搭載しようとすれば、予算オーバーにもつながるでしょう。
また、オーバースペックなサイトは、機能が優秀でも活かしきれません。
上記の理由から、システム面に強みのある企業に制作を依頼する場合には、必要な機能面を考慮しながら検討しましょう。
格安の制作会社は中長期的に割高になる恐れがある
制作会社の中には、格安の料金設定でサイト制作を請け負っている企業があります。
格安の制作会社は、コストを抑えて制作を依頼できるため、メリットが大きいように思われますが、実はそうではありません。中には、デザインテンプレートを使い回す粗い制作をしている場合もあるため、依頼前の見定めは大切です。
また、初期費用だけ安く設定し、ランニングコストの月額費用を高めに設定したり、契約期間の縛りを設けたりしている企業もいます。長期的に見て割高になることもあるため注意しましょう。
納品形式を確認する
ホームページは、形のないデータで構成されており、納品方法によって、運用面・費用面に大きな差が生まれる可能性があります。そのため「納品形式」は必ず確認してください。
基本的な納品物は、HTML・CSS・JavaScript・画像などのWebサイト表示に必要なデータ一式です。
これらの納品方法は、大きく分けて2パターンあります。
| 制作会社がサーバーにアップロードする形式 | 自社が用意したサーバーに、制作会社がWebサイトをアップロードする方法。この場合、納品と同時にサイトが公開される。 |
|---|---|
| ファイルで納品し、クライアント側がアップロードする形式 | Webサイトのデータを圧縮して納品し、自社でサーバーにアップロードする方法。技術的な知識が必要で、不具合が起きた際は制作会社にサポートを依頼する必要がある。 |
また、納品物の範囲も事前に明確にしておくと安心です。
たとえば、以下のような項目が含まれるかを確認しましょう。
- デザインの元データ
- 写真素材(使用権の範囲含む)
- 操作マニュアル
- ロゴ・アイコンなどの再利用可能な素材
- WordPressなどCMSの構築データ
特に、デザインデータや写真素材については、著作権や使用権の問題が絡む場合があります。「何が納品され、何が含まれないのか」を事前に取り決めておくと、トラブル防止に有効です。
Web制作会社の探し方

Web制作会社を探す方法はいくつかありますが、目的や状況に応じて選ぶ必要があります。
ここでは、主な探し方を4つご紹介します。
- 検索エンジンで探す
- 比較サイトで探す
- BtoBマッチングプラットフォームを使う
- 知人から紹介を受ける
検索エンジンで探す
最も一般的な方法が、GoogleやYahoo!などの検索エンジンを使った探し方です。
「英会話教室 ホームページ制作」「名古屋 Web制作会社」というように、地域名や業種名を組み合わせて検索すると、自社のニーズに合った会社を絞り込みやすくなります。
この方法の最大のメリットは、情報量の豊富さです。各社のホームページを直接確認すれば、デザインの雰囲気や制作実績、サービス内容、料金体系などを自分のペースで比較検討できます。
ただし、検索上位に表示されていても、必ずしも自社に最適とは限りません。
気になる制作会社があれば、資料請求や無料相談を利用して比較検討するとよいでしょう。
比較サイトで探す
Web制作会社の比較サイトでは、複数の制作会社の情報が一覧形式で整理されています。料金帯や得意分野、制作実績、対応可能な地域などを比較したいときに有効でしょう。
この方法のメリットは、短時間で効率的に複数社を比較できる点です。制作実績や得意な業種、料金の目安などを一覧で確認できれば、予算や要望に合う会社を素早く見つけられるでしょう。
ただし、注意点として料金の安さだけで選ぶのは避けましょう。極端に安い料金を提示している会社の中には、サポート体制が不十分で、追加費用が後から発生するケースも少なくありません。
比較サイトは、あくまで候補を絞り込むツールとして活用してください。最終的には実際に問い合わせて、担当者の対応を確かめるとよいでしょう。
BtoBマッチングプラットフォームを使う
BtoBマッチングプラットフォームは、サイトの種類や地域などを入力すると、条件に合った複数の制作会社から提案が届く仕組みです。
この方法のメリットは、一社ずつ問い合わせをする必要がなく、一度の入力で複数社から見積もりや提案を受け取れる点です。
一方で、プラットフォーム経由は、手数料やマージンが価格に含まれる場合があります。費用面の内訳には、目を通しておくとよいでしょう。
知人から紹介を受ける
実際に、ホームページ制作を依頼した知人や取引先から、制作会社を紹介してもらう方法もあります。
紹介の場合、制作会社の対応の良し悪しやコミュニケーションのスムーズさなど、ホームページには掲載されていない情報を得られます。
一方で、制作会社との相性が悪く、成果物に不満がある場合でも、紹介者の手前、意見を言いづらいという心理的な負担が生じる可能性があります。
そのため、他の方法と併用しながら、最終的な判断材料の一つとして活用するとよいでしょう。
まとめ:ホームページ制作会社の選び方をおさえて相性の良い依頼先を見つけよう

ホームページ制作会社の選び方は、事前準備やポイントを押さえて行いましょう。
失敗するリスクを1つずつ解消していくことが優良企業と出会える第一歩です。本記事を参考にしながら、自社の目的や状況とマッチした制作会社を見つけましょう。


