「インターネット今昔物語」から読み解くマーケティング・SEO

平成というひとつの時代が終わり、新しい時代が幕を開けました。メディアでは平成をプレイバックする特集が多く組まれ、なつかしい気持ちに浸っていたという方も多いのでは。

そんな平成はインターネット創世記。個人のホームページに始まり、多くの企業がホームページの開設を始めました。

目まぐるしく発展を遂げたインターネットですが、いま存在しているホームページの昔の姿を見ることができるツール「Wayback Machine 」をご存知ですか?

 

Wayback Machine とは?

Wayback Machine はInternet Archiveが提供している、サイトの過去のページを見ることができるツール

Internet Archiveとはアメリカの非営利法人で、Webサイトをはじめ書籍や映画・音楽・歴史資料など世界中のあらゆるデジタル情報を集めているいわば「インターネット図書館」です。

Internet Archiveが保存しているサイトならどれでも閲覧可能で、登録の必要もなく無料で利用できます。

 

Wayback Machineの使い方

では実際に、名古屋市のホームページの過去の姿を見てみましょう!現在の名古屋市のサイトはこちら。

 

①見たいサイトのURLを入力

トップページにある検索バーに、見たいサイトのURLを入力します。

 

②見たい年月を選択

次の画面で年を選択するとカレンダーが表示されます。カラーの〇がついている日付の過去データが存在しているということ。

マウスオーバーすると時間が表示されますので、見たい時間を選択しましょう。

 

③過去サイトが表示される

サイトの過去ページが表示されます。ページ内のリンクも有効なのでサイトを回ることも可能。

フォントやカラー、スクロールする文字などとても懐かしいですね!

 

Wayback Machineの活用法

時間を忘れてWayback Machineを楽しんでしまいそうですが、ただ昔をなつかしむだけに使うのは、非常にもったいないこと。

同業のライバルがここ数年サイトアクセス数が急上昇。新規顧客を大幅に増やし売り上げも右肩上がり・・・なんてことはありませんか?

ライバルはなぜ・どのようにサイトで業績UPに成功しているのか?そのヒミツを探るのに、Wayback Machine以上に役立つツールはないと言っても過言ではないのです。

 

Wayback Machineでみるサイト今昔

①大手化粧品メーカー今昔

・2019年現在

まずトップにモデルの写真を大きく出してユーザーの興味を引いています。

自社製品でスタイリングしたモデル写真を出すことで「このファンデーションこんなにキレイになるんだ!」「この色のリップの使ってみたい!」という購買意欲を引き立てますね。

自社ブランドも検索しやすくなっていますし、アクセスの多いオンラインショップ・店舗情報・美容コラムなどのコンテンツが一目瞭然

 

・2006年当時

現在のサイトとは大きく異なり、写真が少なく全体的に地味でどことなく事務的な印象。

必要なコンテンツがまとまりすっきりとしていて上品な雰囲気ですが、色とりどりの化粧品を扱うサイトとしては華やかさが物足りなく感じます。

 

②大手ショッピングサイト今昔

・2019年現在

目玉キャンペーンのバナーをトップに大きく表示。セールやポイントUPキャンペーンなどがすぐ目に入り、多くのアクセスが見込めます。

さらに季節商戦である夏もの衣料品やアウトドア用品など「いま多くのユーザーが求めているもの」をすぐに提示することで売り上げにつながることが期待できます。

売上ランキングや注目商品などを写真付きで次々と表示。ウインドウショッピングをしているかのように、たくさんの商品をユーザーに提示することで「買い物を楽しむ」という気持ちになりますね。

 

・2009年当時

とにかく文字が多い!

訪れたユーザーに対して「こんなに豊富に商品を揃えています!」とアピールできる手段が、当時は文字中心にしかできなかったということは否めません。

そのため物欲や購買欲を刺激しやすいとは言えず、事務的に「必要なものだけを検索し購入する」にとどまる人も多かったのでは?ということが推察されます。

 

このようにユーザー目線に立ち、今と昔を比べて使いやすくなった点・興味を引くようになった理由などを考えてみてください。これこそが、自社サイトの価値をより高めるためのヒントとなるでしょう。

自社サイトの今昔を比較してみるのもいいかもしれません。たいして変化がないと感じたら、早急な対策が必要です。

まとめ

現在検索上位にいるサイトはそれだけ評価が高いということ。

ライバルが検索の順位を上げたタイミング・または自社のサイトの順位が下がってしまったタイミングでWayback Machineを確認してみましょう。評価が上がった要因や逆に下がってしまった要因などを見つけることができるはずです。

PC用サイトでは一見変わりがないように見えても、スマホから確認すると操作性や見やすさが大きく変化していたということもあります。

Wayback Machineには幅広い使い方があります。SEOやマーケティング向上のために、登録なし・無料で利用できるこのツールをどんどん活用していただきたいと思います!