コンテンツマーケティングは、顧客に向けた情報発信や、見込み顧客を獲得する目的で実施するマーケティング手法の一つです。
「コンテンツマーケティングのやり方がわからない」
「コンテンツマーケティングを行うメリットを知りたい」
コンテンツマーケティングの需要が高まっているからこそ、こうした悩みは尽きません。
そこで本記事では、コンテンツマーケティングについてわかりやすく解説します。メリットや成功事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の内容
コンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングとは、顧客や見込み顧客の獲得に向けて、広告以外のコンテンツで有益な情報を発信するマーケティング手法です。
広告は、商品やサービスの特徴を売り込み、顧客に関心を持ってもらうことを目的としています。
- Webサイト
- SNS
- 動画配信
- 検索エンジン
- メールマガジン
- ブログ
コンテンツマーケティングでは、さまざまなコンテンツを活用して、顧客にベネフィットを訴求して購買意欲を向上させるのが目的です。
一方的に売り込むのではなく、顧客にとって有益な情報を、中長期的に発信することを前提としています。
コンテンツマーケティングを行う目的
コンテンツマーケティングの主な目的は、見込み客の獲得と自社のブランディング化を図ることです。それぞれ詳しく解説します。
- 見込み顧客との接点を作る
- 自社のブランディング化を図る
見込み顧客との接点を作る
コンテンツマーケティングは、見込み顧客との接点を作りたいときに最適な手法です。顧客は大きく分けて、以下の3つの層に分類されます。
- 顕在層:既に自社商材を知っている、購入を検討している
- 潜在層:ジャンルに興味はあるが自社商材を知らない
- 非認知層:ジャンルも自社商材にも関心がない
コンテンツマーケティングでは、将来的に見込み顧客になる可能性がある潜在層との接点を作る目的があります。
自社のブランディング化を図る
コンテンツマーケティングには、自社のブランディング化を図る目的もあります。
新規顧客が自社商材に満足してくれれば、リピーターになる可能性や、口コミで評判が広がる可能性があるでしょう。
多くの人に自社商材の存在を知ってもらえれば、企業の認知度も高まり、やがては自社のブランディング化につながります。
コンテンツマーケティングのメリット5つ
それでは、コンテンツマーケティングのメリットを5つ紹介します。
- 潜在層との接点を増やせる
- 低コストで中長期的な集客効果が期待できる
- コンテンツが資産になる
- SNSで情報を拡散しやすくなる
- 社内ノウハウを蓄積できる
潜在層との接点を増やせる
潜在層との接点を増やせるのは、大きなメリットです。
コンテンツマーケティングは中長期的に行うことを前提としています。
潜在層がすぐに自社商品やサービスを利用するとは限りませんが、有益な情報を発信し続ければ新規顧客の獲得チャンスが増えるでしょう。
信頼できる企業と認識してもらえれば、ロイヤリティが高まりリピーターの獲得にもつながります。
低コストで中長期的な集客効果が期待できる
コンテンツマーケティングは、低コストで中長期的な集客効果が期待できます。
広告を出稿し続けるにはコストがかかりますし、広告の出稿を停止すればアピールの機会を失います。
コンテンツマーケティングであれば、低コストで中長期的な戦略が可能です。また、さまざまな媒体を活用できるのも魅力といえるでしょう。
コンテンツが資産になる
コンテンツが資産になるのもメリットです。
コンテンツは作成したら終わりではありません。改善や更新を繰り返せば継続的に情報を発信できます。
コンテンツを削除しない限り存在し続けるので、やがては自社の資産となるでしょう。
SNSで情報を拡散しやすくなる
SNSで情報を拡散しやすくなるのも、注目したいポイントです。
SNSはコンテンツマーケティング手法の中で、最も情報拡散力に優れています。
企業のホームページやブログを見ない層でも、SNSであれば目に留まりやすいでしょう。広告だと敬遠するユーザーも、コンテンツであれば気軽にシェアできます。
SNSを経由して、企業のホームページやブログへの誘導も可能です。
社内ノウハウを蓄積できる
そして、社内ノウハウを蓄積できるといったメリットもあります。
自社でコンテンツマーケティングを実施する場合は、社内リソースを消費するのが留意点です。
しかし、コンテンツマーケティングに取り組むプロセスや、得た情報は社内ノウハウとして蓄積されます。
コンテンツマーケティングを行ううえでの注意点3つ
コンテンツマーケティングを成功させるために覚えておきたい、3つの注意点を紹介します。
- 社内リソースを消費する
- 成果が出るまでに時間がかかる
- 継続的な見直しが必要になる
社内リソースを消費する
コンテンツマーケティングを自社で行う場合は、社内リソースを消費するので注意が必要です。
社内リソースに余裕がない場合、本来の業務に支障が出て生産性が低下する恐れがあります。自社での対応が困難な場合は、外部へのアウトソーシングを検討してみてください。
成果が出るまでに時間がかかる
コンテンツマーケティングは、成果が出るまでに時間がかかります。
そもそも、コンテンツマーケティングは中長期的な実施を前提としています。短期間での成果はあまり期待できません。
利用する媒体によっても異なりますが、成果が出るまでには数ヶ月~1年程度かかるでしょう。
継続的な見直しが必要になる
コンテンツマーケティングは、継続的な見直しが必要です。
市場や顧客を取り巻く環境は日々変化していきます。コンテンツマーケティングで成果を得られたとしても、コンテンツが時代に合っていなければ飽きられてしまうでしょう。
長期間更新がなく古い情報を放置すれば、企業の信頼を失いかねません。
コンテンツマーケティングを実施する際は、常に最新の情報を発信できるよう継続的に見直してください。
コンテンツマーケティングのやり方5ステップ
続いて、コンテンツマーケティングのやり方を、5つのステップに分けて紹介します。
- 目的やターゲットを明確化する
- コンテンツ設計を行う
- 目的に合わせてKPIとKGIを設定する
- コンテンツ制作する
- 効果測定と改善をする
目的やターゲットを明確化する
始めに、目的やターゲットを明確化してください。
目的やターゲットが曖昧なままでは、顧客にとって有益な情報を発信できません。
- 見込み顧客にも自社商材の認知度を高めたい
- 売上を今の2倍にしたい
目的を設定する場合は、より具体的にしておくことが大切です。
ターゲットを明確化するには、ペルソナを設定しましょう。
ペルソナは、年齢や性別、ライフスタイルなどを細かく設定した架空の人物像を設定することです。
ペルソナ設定により、ユーザーニーズを捉えやすくなりますし、社内で共有すれば認識を統一化しブレが生じるのを防げます。
コンテンツ設計を行う
次に、コンテンツ設計を行いましょう。
情報を発信する方法はさまざまですが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
中長期的に継続して行くには、どの方法が適しているのか見極めてください。
目的に合わせてKPIとKGIを設定する
続いて、目的に合わせてKPIとKGIを設定してください。
KGIは、最終的なゴールです。最終的なゴールに向かうために、途中で何をすべきかをKPIで設定します。
目的や途中経過を明確化することで、課題も見えてくるでしょう。
コンテンツ制作する
コンテンツを制作するにあたって、スケジュールを立てておく必要があります。
例えば動画で情報を発信する場合は、動画制作と配信スケジュールを立てておかないと効率的に情報を発信できません。
動画にプラスして、メールマガジンも併用するなら、それぞれにスケジュールを立ててください。
効果測定と改善をする
最終ステップでは、効果測定と改善を行います。
コンテンツを制作し情報を発信しても、そこで終わりではありません。実際に情報を発信していく過程で、修正が必要な部分も出てくるでしょう。
継続的に効果測定と改善を繰り返していけば、コンテンツの質が向上し、顧客にとってより良い情報を発信できます。
BtoBのコンテンツマーケティング成功事例3選
ここからは、BtoBのコンテンツマーケティング成功事例を3つ紹介します。
- 「サイボウズ式」サイボウズ株式会社
- 「経営ハッカー」freee株式会社
- 「バーコード講座」株式会社キーエンス
「サイボウズ式」サイボウズ株式会社
サイボウズ式は、認知度アップを目的として、メインの記事コンテンツを軸にさまざまな手法を展開しています。
メインとなる記事コンテンツを軸にしていますが、2012年の公開から7年後の2019年には、月間平均PV20万を突破。ユーザー目線を意識して、イラストや会話形式など見やすさを重視したデザインも特徴的です。
「経営ハッカー」freee株式会社
freee株式会社が提供する「経営ハッカー」は、個人事業主に向けて有益な情報を発信するオウンドメディアです。
メインとなるのは、記事作成ですが、会計・経理・税務・起業まで、幅広いテーマが用意されており、2017年には月間400万PVを獲得しています。
「バーコード講座」株式会社キーエンス
株式会社キーエンスが提供する「バーコード講座」は、バーコードの仕組みを学べるメディアです。
バーコードの基本原理や読み取りや印字の他、2次元コードについても詳しく解説されています。
資料はPDF形式でのダウンロードも可能ですし、40点以上の技術資料を紹介する資料館で、より詳しい知識を身につけることも可能です。
ヘッダーには、問い合わせや資料請求などがあり、ユーザーが知りたい情報を一目で確認できるようわかりやすく構成されています。
BtoCのコンテンツマーケティング成功事例3選
続いて、BtoCのコンテンツマーケティング成功事例を3つ紹介します。
- 「北欧、暮らしの道具店」株式会社クラシコム
- 「dressing」株式会社ぐるなび
- 「キナリノ」株式会社カカクコム
「北欧、暮らしの道具店」株式会社クラシコム
「北欧、暮らしの道具店」は、株式会社クラシコムが運営するECサイトです。
北欧風のインテリア雑貨や日用雑貨を扱っており、月間平均訪問者数が150万人と安定しています。
ターゲット層は20代~40代の女性ですが、洗練されたデザインはターゲット層以外の顧客にも支持されています。
一目でわかるカテゴリやアプリへの訴求など、おしゃれで購買意欲をかきたてるデザインも特徴的です。
「dressing」株式会社ぐるなび
「dressing」は、株式会社ぐるなびが運営するグルメ情報サイトです。
季節に合わせたおすすめ料理を提供する飲食店の紹介や、食にまつわるコラムやレシピなど、グルメ情報が充実しています。
食の知識や食事マナーなどの情報も発信しており、幅広い層が楽しめる構成です。
「キナリノ」株式会社カカクコム
「キナリノ」は、株式会社カカクコムが運営するオウンドメディアです。
テーマは、ファッションやインテリアが中心ですが、おしゃれな生活雑貨や料理のレシピ、家計管理に役立つ情報なども発信しています。
扱うジャンルも幅広く、コラムでは顧客に向けて有益な情報を発信しているのも特徴です。ページ内には、おすすめ商品のリンクがあり、気になる商品をすぐにチェックできるようになっています。
まとめ:コンテンツマーケティングはユーザー目線を意識して取り組もう
コンテンツマーケティングで顧客にとって有益な情報を発信し続ければ、企業のブランディング化につながります。
ただし、コンテンツマーケティングは、ユーザー目線を意識することが大切です。
中長期的に実施していけば、リピーターの獲得だけでなく、新規顧客を獲得できるチャンスも増えるでしょう。
自社でコンテンツマーケティングの実施が困難な場合は、プロへお任せすることも検討してみてください。