採用活動が思うように進まず、悩んでいる企業担当者は多いでしょう。
「応募者が集まらない……」
「採用にコストをかけても成果が出ない……」
「内定辞退が続いて人材を確保できない……」
このように、人材確保のために試行錯誤しても成果が上がらず、原因が分からないまま手詰まり状態になっている企業は少なくありません。
採用現場で直面する課題は多岐にわたり、解決策も異なります。
そこで本記事では、よくある採用課題を13種類取り上げ、具体的な解決策をまとめました。採用活動を改善するための調査方法や、より効率的に優秀な人材を獲得するためのポイントについても詳しく解説します。
自社の採用戦略を見直すヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の内容
採用課題とは?
採用課題とは、企業が効率的に人材を獲得するうえで弊害となる問題や困難を指します。
これは「採用の成功率」だけでなく、採用プロセス全体の「効率」を低下させる要因も含まれます。
たとえば「応募が集まらない」という状況は、典型的な採用課題として挙げられます。採用後の早期離職が発生することも、採用担当者にとって悩ましい状況かもしれません。
採用課題は、社内要因だけに限らず、経済状況や競合他社の求人条件といった外部要因にも左右されます。同じ求人条件でも、競合企業の動向や採用時期によって結果が異なることも少なくありません。
そのため、採用担当者は状況を的確に把握し、柔軟に対応策を講じることが重要です。
採用課題は3種類
採用課題は、企業の採用プロセス全体に影響を与えるもので、フェーズごとにさまざまな問題が発生します。
採用課題を抱えやすいタイミングは、以下3つのフェーズに大別されます。
- 母集団形成の採用課題一覧
- 選考の採用課題一覧
- 入社後の採用課題一覧
フェーズごとに細かな課題も紹介するので、問題の原因を特定するヒントに役立ててみてください。
母集団形成の採用課題一覧
企業が採用活動を行う際、最初に行き詰まりやすいのが「母集団形成」でしょう。
このフェーズで抱えやすい採用課題は、以下のようなものがあります。
主な課題 | 具体的な悩み |
---|---|
求人広告の露出が不足している | 求人情報が十分に拡散されず、求職者に届かない 応募が集まらない |
ターゲット層の明確化ができていない | 求める人物像が曖昧で、適切な応募者を引き寄せられない 自社が求めていない人材が集まってしまう |
自社の認知度が低い | 企業自体の知名度が低いため、求職者の関心を引けない |
求人内容が魅力的でない | 求職者が興味を持つような待遇や仕事の魅力がうまく伝わっていない 求人原稿の内容が適切かどうか判断できない |
競合他社と比べて条件が劣っている | 給与や福利厚生、働き方などで他社に比べて見劣りし、応募が集まらない |
適切な採用媒体が分からない | 求める人材が集まりやすい求人媒体やプラットフォームを使えていない |
採用サイトやページ、募集要項が古い | 情報が更新されていなかったり、最新のトレンドに合っていない内容になっている |
スカウトメールの効果が低い | スカウトメールの内容が求職者の興味を引かず、開封・返信されない 魅力的なスカウトメールを作成できない スカウト対象者の選定が適切でない |
求人の情報量が少ない | 求職者に十分な情報が提供されておらず、応募意欲を引き出せない 掲載すべき情報が曖昧 |
ビジュアル要素が不足している | 画像や動画など、視覚的に訴求するコンテンツがなく、求職者の関心を引けない |
採用活動に十分な時間を使えない | 採用担当者に負担がかかっている 人手不足が発生している |
採用担当者が経験不足である | 企業の魅力を適切に伝えられない 採用活動のデータを分析し、効果的な改善策を打ち出せない |
適切な採用手法が分からない | ターゲットに合った採用手法を判断できない |
母集団形成は、応募者の数や質に直結する重要なフェーズです。この段階で問題が発生すると、採用活動全体に悪影響を及ぼしてしまうでしょう。
選考の採用課題一覧
選考時にも、採用課題は発生します。このフェーズは、応募者に対して企業の印象を決定づける重要な段階です。適切な対応を取らないと、優秀な候補者を逃し、選考自体が非効率になりかねません。
選考時に発生しやすい採用課題は、以下のとおりです。
主な課題 | 具体的な悩み |
---|---|
選考回数が多い | 面接回数が多く、候補者が途中で辞退してしまう 優秀な人材を逃してしまう |
書類選考の合否連絡に時間がかかる | 書類選考結果の通知に時間がかかり、候補者が他社の選考を優先してしまい、辞退されることが多い |
面接日程の調整に時間がかかる | 候補者との面接日程がスムーズに調整できず、競合他社に流れてしまう |
面接で自社の魅力を十分に伝えられない | 候補者が選考途中で辞退してしまう |
評価基準が曖昧 | 面接官ごとに評価基準が異なり、選考結果が一貫しないため、採用の判断に迷いが生じる |
面接官の経験不足 | 面接官が適切な質問や評価ができないため、採用するべき人材を見極められない |
面接会場が遠方にある | アクセスが悪く候補者に負担をかけてしまい、選考辞退につながる 面接辞退によって、採用担当者にリスケジュールの負担が増える |
提出書類が多い | 面接時に要求する書類が多く、手間がかかるため候補者が煩雑さを感じて辞退することがある 紙の履歴書が多く、整理できない |
選考プロセスの透明性がない | 候補者に対して選考基準やプロセスが不透明で、信頼を損ない辞退されてしまうことがある |
内定通知が遅い | 内定通知が遅く、他社の内定を先に受け入れられてしまい、採用機会を逃してしまう |
選考時は、企業と候補者が初めて直接接触する場面であり、両者の期待や印象が大きく影響します。
そのため、この段階で問題が発生すると、候補者が他社を選ぶ確率が高まり、結果的に採用の成功率が低下してしまうでしょう。
入社後の採用課題一覧
採用活動は、入社がゴールではありません。入社後に抱えやすい採用課題の典型が、早期離職でしょう。
具体的な課題として、以下が挙げられます。
主な課題 | 具体的な悩み |
---|---|
求人内容と実際の仕事内容のギャップ | 求人で提示した仕事内容と、実際の業務が大きく異なるため、新入社員が期待外れを感じ、早期退職につながる 実際の業務が想像以上に多く、残業が頻繁に発生するため、ワークライフバランスを保てず、早期離職の原因となる |
社内文化への適応が難しい | 新入社員が企業の風土やカルチャーに馴染めず、ストレスを感じて早期退職を考えてしまうケースが多い |
オンボーディングの不足 | 入社直後の研修が不十分で、新入社員が業務に慣れる前に孤立感を感じ、パフォーマンスが低下してしまう |
メンターやサポート体制がない | 新入社員に対してサポートを行うメンターや先輩社員がいないため、業務や環境に対する不安が解消されず、定着率が低下する |
職場の人間関係が原因での早期離職 | 上司や同僚との関係がうまくいかず、孤立感やストレスを抱え、結果的に離職に至るケースが増える |
昇進やキャリアパスが不透明 | 入社後にキャリアの展望や昇進の基準が明確に示されておらず、社員が長期的に働くビジョンを描けないことが原因で離職する |
給与や待遇に対する不満 | 求人情報や面接で提示された条件と、実際の給与や福利厚生が違う、または期待外れであり、モチベーションが下がる |
入社後の採用課題は、企業が期待する定着率や生産性に大きな影響を与えます。これらの課題は、母集団形成時の体制が不十分であることが、要因になるでしょう。
採用課題の背景にある市場の最新動向
「なぜ採用課題が発生するのか」その背景を理解するためには、まず採用市場の最新動向を把握しなければいけません。
以下では、採用市場全体と新卒採用、中途採用の3つに分けて、最新の市場状況を解説します。
採用プロセスのオンライン化が加速している
近年、採用プロセスのオンライン化が加速しています。
特に、新型コロナウイルスの影響以降、オンライン面接やリモート採用を実施する企業が増えてきました。
エン・ジャパンの調査(※)では、求職者のうち46%がオンライン面接を経験済みだということが分かりました。
年齢が若いほど、対面の面接よりもオンライン面接を好む傾向があります。
最近では、インターンシップや会社説明会も、オンラインで開催されることが一般的になってきています。
採用活動のオンライン化は、企業にとって効率的な採用ツールとなる一方で、デジタル対応が遅れている企業は不利になりかねません。
選考スピードの遅れはもちろんのこと、面接の質を維持できず、採用活動全体が滞るリスクが高まります。
(※)参照:エン・ジャパン株式会社 7,200人が回答!「面接」実態調査『エン転職』ユーザーアンケート
新卒・中途採用ともに売り手市場が続く
日本の採用市場では、新卒・中途ともに「売り手市場」の状況が続いています。
リクルートワークス研究所が発表した「第41回 ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒)」によると、2025年卒の新卒求人倍率は、1.75倍と予測されています。
特に優秀な新卒人材は、企業間での争奪戦が発生しやすくなります。中小企業や成長途上の企業にとっては、さらに不利な状況になりかねません。
こうした状況は、転職市場においても同様です。
dodaの調査によると、2024年5月時点での転職求人倍率は2.57倍で、新卒以上に採用活動を工夫する必要があるでしょう。
さらに、厚生労働省の発表では、専門職や技術職などの分野では、深刻な人材不足を迎えると懸念されています。
上記グラフによると、2030年を迎える頃には、専門職が170万人不足すると予測されています。
こうした売り手市場で優秀な人材を確保するには、迅速な採用プロセスの構築や、企業が持つ魅力のアピールが求められるでしょう。
参照:リクルートワークス研究所「第41回 ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒)」
doda転職求人倍率レポート(2024年8月)
売り手市場について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
採用の売り手市場を味方に!企業が取り組むべきポイント・戦略とは?志望企業調査の主な情報源は個別ホームページ
志望企業の調査方法も、変化しています。
新卒の就活生が、志望企業を調べるうえでもっとも重視した情報源は「企業の公式ホームページ」であることが分かりました。
キャリタス就活が発表した調査結果によると、6割以上の就職希望者が、企業ホームページを参考にしていることが分かっています。
従来の採用活動は「就活ナビサイト」が主流でした。しかし現在は、企業の詳細な情報や独自性を確認するために、公式ホームページの活用が増えています。
具体的な企業理解や雰囲気を把握するためには、個別ホームページの存在は必要不可欠といえるでしょう。
採用課題の特定方法
採用課題を特定するためには、歩留まり率を活用して、各採用ステップでの問題点を見つけることが有効です。
歩留まり率とは、ある選考ステップから次のステップに進んだ人数の割合を指します。これにより、各ステップで候補者がどれだけ残っているか、またどこで大きく減っているかを把握できます。
歩留まり率は、以下のように計算します。
- 歩留まり率(%)=選考(内定)通過者数 ÷ 選考(内定)対象者数× 100
たとえば、100人の応募者のうち、書類選考を通過したのが20人であれば、書類通過率は20%です。
この計算式を、書類選考から内定承諾まで、各ステップで算出してみてください。
歩留まり率が特に低いステップがあれば、その部分に課題があることが分かります。
たとえば、書類通過率が低い場合は、応募者の質に問題がある可能性や書類選考の基準が厳しいと予測できるでしょう。
歩留まり率の数値をもとに、どの選考段階で問題があるのかを明確にすることで、効果的な改善策を打てるようになります。
母集団形成の採用課題と解決策
ここからは、採用フェーズごとの採用課題と解決策を紹介します。
まずは、母集団形成時の課題と解決策を提示するので、ぜひ参考にしてみてください。
- 応募数が集まらない
- 自社が求める人物像とマッチしていない
- 応募人数が多く採用担当者の業務が逼迫する
応募数が集まらない
「求人を出しても応募が集まらない」あるいは「集まっても数が少ない」というのは、母集団形成に課題があります。
応募者が集まらなければ、その後の選考プロセスも改善を図れません。応募者を増やすために、以下の解決策を講じてみてください。
解決策1:自社に適した求人媒体を選ぶ
求人媒体の適切な選定は、応募が少ないという問題を解決するための有効な手段です。
採用媒体には、それぞれ得意分野があります。
たとえば、人材紹介はスキルや経験が豊富な人材を紹介してもらえる一方で、コストが高く大量応募には向いていません。
求人広告は、工夫次第で多くの応募を集められますが、競合に埋もれやすいため工夫が必要です。
自社の求める人材に適した手法や媒体を選ぶことが、採用成功の鍵でしょう。
解決策2:スカウト型の採用手法を取り入れる
自社の求人を認知してもらえない場合、企業側から積極的にアプローチする「スカウト型採用」を取り入れてみましょう。
これにより、応募を待つだけでは見つからない優秀な人材に接触することが可能です。
特定のスキルや経験を持った人材をデータベースから検索し、的確にアプローチすることで、質の高い母集団形成が期待できるでしょう。
スカウト型採用の方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
ダイレクトリクルーティングで新卒採用!成功の秘訣・サービス13選を徹底比較解決策3:ブランディングを兼ね備えた採用ページを構築する
ブランディングを兼ね備えた、個別の採用ページを強化しておきましょう。
求職者は、志望企業を調べるうえで「企業の公式ホームページ」を重視する傾向があります。
採用ページは、企業の魅力を伝える重要なツール。母集団形成においては、単に求人情報を掲載するだけではなく、企業のブランドイメージを伝える手段として有効です。
また、マーケティング要素として、採用ページにSEO(検索エンジン最適化)を取り入れることも重要です。
求職者が、インターネット検索する際「業界名+採用」「職種名+求人」などのキーワードで検索した際に、上位表示されやすくなるでしょう。
自社が求める人物像とマッチしていない
応募はあるものの、求める人物像とミスマッチが生じると悩む採用担当者は多いでしょう。
企業が求めるスキルや経験を持つ人材を集められない場合、採用後に早期離職やパフォーマンス低下のリスクが高まります。
この課題を解決するために、以下3つの解決策を提示します。
解決策1:求人情報に求める人物像を明確に記載する
求人票や採用ページに記載する内容を、具体的に示しましょう。
企業が求める人材像を明確に記載することで、求職者が、自分がそのポジションに適しているかを判断しやすくなります。
具体的に、以下の情報を提示してみてください。
- 必要なスキル、資格、経験の具体的なレベル
- 仕事内容の詳細
- 求める人物像(例:自主性のある人、チームワーク重視の人など)
ミスマッチを確実に防ぐには、集まった応募者と理想とする人物像との違いを分析することをおすすめします。
求める人物像に合わない応募者が多い場合、求人内容を改善するヒントも得られるでしょう。
解決策2:求める人物像が興味を示す求人情報にする
求める人材にとって魅力的な求人を作成しましょう。
応募者が「自分に合った職場」と感じやすくなり、適切なスキルや価値観を持った応募者が集まりやすくなります。
ただし、内容が誇張されすぎていると入社後のギャップが生まれ、早期退職につながりかねません。求人内容は、実際の職場環境や待遇と一致させることが重要です。
応募人数が多く採用担当者の業務が逼迫する
母集団形成時に応募人数が多すぎると、採用担当者の業務が逼迫し、すべての応募者に対して迅速かつ適切な対応ができなくなることがあります。
選考の質が低下し、選考プロセスが遅れる可能性があるので注意しましょう。
こうした課題がある場合、あえて採用ハードルを高めてみるのは有効な戦略です。ハードルを高めることで、応募者の質と数に調整をかけられます。
ただし、応募者数の減少につながれば、他の問題が生じるため注意してください。
選考の採用課題と解決策
選考プロセスでは、企業が求める優秀な人材を見極め、最適な形で採用活動を進めることが非常に重要です。
しかし、実際の選考場面では、さまざまな課題に直面することが多く、適切に解決しなければ採用の質や効率が低下してしまいます。
ここからは、選考時の採用課題と解決策を紹介するので、参考にしてみてください。
- 最適な人材かの判断が難しい
- 面接途中で辞退する人が多い
- 役員面接や最終面接を通過できる人が少ない
- 内定辞退する人が多い
最適な人材かの判断が難しい
選考時における課題の一つに、人材の見極めが難しいという問題があります。
選考の初期段階では、履歴書をもとに応募者のスキルや経験をある程度評価できます。しかし、企業の文化に適応できるか、将来の成長性を見極めるのは容易ではありません。
これにより、選考基準が曖昧になり、最適な人材を逃してしまう可能性があります。
解決策1:面接官の評価基準を統一する
面接官によって判断基準が異なると、選考の一貫性が欠けます。
面接官同士での評価基準を明確にし、事前に統一した基準を設けることで、全員が同じ視点で候補者を評価できるようにします。
質問のフォーマットやチェックリストを作成するといいでしょう。
解決策2:適性検査やパーソナリティテストを導入する
面接だけでは判断が難しい「文化フィット」「潜在的な能力」を測るために、適性検査やパーソナリティテストを導入してみましょう。
これにより、候補者の社内での適応力や、将来的な成長性をより客観的に評価することが可能になります。
面接途中で辞退する人が多い
面接プロセスが進む中で、候補者が辞退してしまうケースは意外と多いでしょう。この原因は、企業側の対応ミスや選考プロセスの長さなど、さまざまな要因が絡んでいます。
面接途中の辞退は、企業にとって大きな損失となるため、早期に原因を把握し対策を講じる必要があります。
解決策1:面接プロセスを簡略化してスピードを上げる
選考プロセスが長期にわたる場合は、面接回数を最小限に抑え、できる限り迅速に進めてみてください。
面接回数が多く、内定までの期間が長期にわたると、候補者が他社を優先してしまう可能性があります。
面接は、必ずしも対面で実施する必要はありません。オンライン面接を導入すれば、候補者は移動する手間が省け、負担軽減にもつながるでしょう。
解決策2:面接中に企業の魅力を強くアピールする
面接の場では、候補者の評価だけでなく、企業の魅力をアピールすることも重要です。
企業文化や成長機会、福利厚生などを面接時にしっかり伝えることで、候補者の意欲を高め、選考辞退の防止につながります。
役員面接や最終面接を通過できる人が少ない
採用担当者や現場社員の面接を通過した後、役員面接や最終面接で不合格になるケースに悩む企業は少なくありません。
特に、役員面接での合格率が極端に低い場合、採用担当者と役員の間で求める人物像にズレが生じている可能性があります。
このような歩留まりの差が大きい場合は、以下の解決策を講じてみてください。
解決策1:事前に役員と採用担当者の基準を共有する
採用活動は、自社全体で実施するものです。最終面接を担当する役員(もしくは代表)にも、採用基準を共有しておきましょう。
面接に関わる全員が、同じペルソナをイメージして採用活動に挑めば、入社後のミスマッチも格段に減らせます。
採用基準を共有する際は、スキルや経験値だけでなく、価値観や特性など内面的な要素も含めてください。
解決策2:最終面接前の準備を強化する
理想の候補者に最終面接にパスしてもらうには、候補者に対する配慮も必要です。
最終面接を控えた候補者には、事前に求められる内容を明確に伝え、万全の準備ができるようにサポートしましょう。
これにより、候補者が最終面接で自信を持って対応できるようになります。
内定辞退する人が多い
内定を出しても辞退されるケースは、採用活動において大きな課題です。
内定辞退が発生する主な原因として、同じく内定を通知した他社による魅力的な条件提示や自社への不安を払拭しきれないなどが挙げられます。
内定辞退を完全に防ぐのは難しいものの、迅速な対応やこまめなコミュニケーションを心掛けることで、ある程度防ぐことが可能です。
具体的に、以下の解決策を実施してみてください。
解決策1:オファーの提示を迅速かつ魅力的にする
内定を出す際は、他社よりも早く、かつ候補者にとって魅力的な条件の提示が重要です。
給与だけでなく、成長機会やキャリアパス、働きやすさを強調し、候補者に「この会社で働きたい」と感じさせることが内定辞退を防ぐためのポイントとなるでしょう。
解決策2:内定後のフォローアップを強化する
内定を出した後も、定期的に連絡を取り、候補者に不安や疑問があれば積極的に対応しましょう。
入社までの期間が長い場合は、内定者同士が交流できるイベントや、直属の上司やチームとの懇親会を開催することも効果的です。
入社後の採用課題と解決策
採用活動の成功は、単に優秀な人材を採用することにとどまりません。その人材が長期的に定着し、企業内で活躍することによって実現されます。
しかし、採用後のフォローや育成が不十分であれば、早期離職や期待通りのパフォーマンスが得られません。
ここでは、入社後における代表的な課題と、その解決策を紹介します。
- 入社後の早期離職で定着率が低い
- 採用人材の育成がうまくできていない
- 期待した成果が見えていない
入社後の早期離職で定着率が低い
多くの企業が直面する課題の一つに、入社後の早期離職があります。
採用活動で期待していた人材が短期間で退職してしまうと、採用コストや育成の手間が無駄になるだけでなく、職場の士気にも影響を及ぼします。
早期離職の原因には、入社前の期待と実際の業務のギャップや、職場の環境に馴染めないことが挙げられます。
こうした課題には、以下の解決策を講じてみてください。
解決策1:事前にリアルな職場環境を共有する
早期離職の原因として挙げられるのは、応募者が描いていたイメージとのギャップが大きいことでしょう。
求職者が入社後にギャップを感じないように、採用段階から企業の実際の働き方や社内文化を嘘偽りなく伝えることが重要です。
職場見学や社員との座談会などを設け、働く環境をリアルに理解してもらうことで、期待とのズレを防げるでしょう。
解決策2:オンボーディングプロセスを充実させる
新卒の場合は、ある程度教育体制を整えている会社がほとんどでしょう。しかし、社会経験のある中途採用となると、研修体制が不十分であることが多いかもしれません。
いくらスキルや経験を持っていても、新しい環境は誰しも不安があるでしょう。入社直後の研修やサポート体制を強化し、社員がスムーズに業務に馴染めるよう工夫してみてください。
特に、仕事の進め方や職場の文化、期待される役割を明確に伝えることで、早期離職のリスクを軽減できます。メンター制度を導入して、入社後の悩みや疑問に対応できる環境を整えてもいいでしょう。
採用人材の育成がうまくできていない
人材育成がうまくいかず、社員が本来の力を発揮できないケースも課題の一つです。せっかく優秀な人材を採用しても、適切な育成を実施しなければ長期的に活躍できる人材に育ちにくくなります。
こうした課題を解決するには、以下の対策を講じてみてください。
解決策1:体系的な育成プログラムを導入する
社員が継続的にスキルを伸ばせるように、研修やキャリア開発プログラムを設けることが重要です。
定期的なトレーニングやスキルアップの機会を提供し、成長の道筋を明確にすることで、社員が長期的なキャリアを描きやすくなるでしょう。
解決策2:フィードバックと目標設定の機会を増やす
フィードバックと目標設定の機会を増やすことは、採用した人材の育成を成功させるために重要です。
定期的かつ建設的なフィードバックを実施することで、自分の強みや改善点を認識できるようになります。
目標が明確になれば、社員は自信を持って業務に取り組めるようになり、企業にとっても大きな利益となるでしょう。
期待した成果が見えていない
スキルを高く評価して採用したにもかかわらず、入社後に期待通りの成果が発揮されないと悩む採用担当者は多いでしょう。
特に、即戦力として期待される中途採用においては、価値観や志向性が自社と合わないことで、社員が本来の力を発揮できないことがあります。
この場合、企業風土や文化とのミスマッチが原因であることが多いです。
解決策1:配属先の適性を見極める
価値観に相違がみられる場合は、社員の適性が合った部署に配属することで、ミスマッチの防止につながります。
スキルや経験だけでなく、その人がどのような環境で成果を出しやすいかを考慮し、適切な配属を行うことが重要です。異動希望制度を導入してみてもいいでしょう。
解決策2:成果主義の文化や評価基準を明確に説明する
年功序列や異なる評価制度に慣れている場合は、新しい評価基準に適応するのに時間がかかる可能性があります。
社員が自社の評価制度に早く適応できるよう、入社前後に具体的な評価基準や成果の出し方について明確に説明しましょう。
期待される目標や基準をしっかり伝えることで、社員が会社に適応しやすくなります。
採用全体の課題と解決策
採用全体の課題を解決するためには、採用プロセス全体を見直す必要があります。
ここでは、採用全体でよく見られる課題と、それに対応する解決策を挙げていきます。
採用のリソースが確保できない
採用担当者のリソース不足はよくある課題です。
特に、規模が小さい企業や採用担当者が少ない場合、求人原稿の作成や求人媒体の選定、面接対応など、採用活動すべての負担を背負わなくてはなりません。
採用活動に割ける人手や時間が不足していると、質の高い採用活動が行えないという問題が生じます。特に採用専任の担当者が少ない企業は、他の業務と並行して採用活動をするため、十分なリソースを確保できません。
こうした状況を解決するために、採用活動の一部を外部委託することを視野に入れてみましょう。
採用活動の効率性を図るには、採用支援の検討もおすすめです。
広告費が無駄にかかってしまう
採用広告に費用をかけているにもかかわらず、期待した応募数や質の高い人材が集まらず、広告費が無駄になってしまうことがあります。
特に、ターゲット層に適した広告を出せていない場合、この問題が発生しやすくなります。
こうした課題を解決するには、求める人材像を明確にし、ターゲット層がよく利用する媒体やチャネルを選定しましょう。
それでも広告費に負担を感じる場合は、SNSを活用した採用活動も検討してみてください。
中長期的に採用できる仕組みができていない
採用課題を解決できない要因として、採用活動全体を俯瞰できていない可能性があります。
この問題に対処するには、個別の採用プロセスだけでなく、組織全体の採用戦略や方針を見直さなければいけません。
たとえば、応募者数の増加や質の向上を目指して採用手法の改善に力を入れる企業は多いです。しかし、求める人材像が曖昧で組織の価値観やビジョンとミスマッチしている場合、いくら手法を変えても期待する成果は得られません。
全体を俯瞰するためには、採用フローの見直しから始めてみてください。
求人情報の作成や応募受付、面接、内定出しの一連の流れを把握し、どこにボトルネックがあるのか洗い出しが重要です。
採用課題を解決して有望な人材を獲得するコツ
採用課題を解決して有望な人材を確保するには、以下6つのポイントをおさえましょう。
- 採用ペルソナを明確にする
- 採用ターゲットにささる情報を提供する
- スピーディーな選考プロセスを目指す
- 面接官のトレーニングを実施する
- 採用支援・採用代行を利用する
- 求人媒体と連動した採用サイトを制作する
採用ペルソナを明確にする
採用成功の第一歩は、どのような人材を採用したいのかを明確にすることです。企業が求める人材のスキルセット、経験、価値観を詳細に定義し、それに基づいた採用ペルソナを作成してみてください。
採用ペルソナの定義は、性別や年齢、家族構成や居住エリアだけでなく、趣味や消費傾向、休日の過ごし方まで細かく設定しましょう。
また、情報を集める際に利用するメディアやアプリまで落とし込むと、求人媒体を選定するヒントにもなります。
採用ターゲットにささる情報を提供する
求職者が求める情報は、大きく変化しています。採用ターゲットに「ささる」情報を提供できなければ、興味関心を持ってもらえません。
従来の求人情報は、給与や休日、福利厚生がメインでした。
しかし、ワークライフバランスを重視する昨今では「リモートワークが可能か?」「育児や家事と両立が可能かどうか?」といったものも、求職者が知りたい情報の一つです。
ほかにも、職場の雰囲気がいいか、社会にどのように貢献できるかも、重視される傾向にあります。
こうしたターゲットニーズを理解して、求人情報を作成するようにしましょう。
スピーディーな選考プロセスを目指す
採用の売り手市場において、選考プロセスの長期化は命取りです。
採用プロセスが長引くと、候補者は他社へ流れる可能性が高まります。特に優秀な人材ほど、複数のオファーを受けていることが多いため、スピード感のある選考を意識すべきでしょう。
面接官のトレーニングを実施する
面接官のスキルは、採用成功に直結します。
たとえば、面接官が質問をリードできなかったり、企業の魅力を伝えられなかったりすると、企業に対してネガティブな印象を抱きやすくなります。
面接官の質を高めるには、以下の4つは必須です。
- 面接の流れは明確でスムーズか
- 面接官の役割が定まっているか
- 面接がマニュアル化できているか
- 応募者を適切に管理できているか
質問する力だけでなく、聞く力や管理力も必要になるので、面接官トレーニングは必ず実施してみてください。
採用支援・採用代行を利用する
採用支援や採用代行を利用するのもおすすめです。
採用活動を成功させるためには、自社の採用課題を客観的に認識する必要があります。しかし、多忙な業務の中で採用課題の根本原因を探すのは、容易ではありません。
そこで、採用支援や採用代行を利用することで、以下のメリットが得られます。
- 採用プロセスが可視化されてボトルネックや改善点が明確になる
- 選考基準や面接プロセスを見直すきっかけになる
- 採用活動の全フェーズを支援してくれるサービスもある
採用活動を成功させるには、特定の課題だけに注力しても期待する効果は得られません。
採用活動全般を支援するサービスもあるので、リソースを奪われずに質の高い人材の獲得が期待できるでしょう。
求人媒体と連動した採用サイトを制作する
求人媒体と連動した採用サイトを制作することも重要です。
最近の採用市場では、求人媒体に情報を掲載するだけでは、応募が集まりにくくなってきました。求職者が企業を選ぶ基準が変わってきているからです。
求人情報には、働く社員の様子や内部環境の要素が欠かせません。とはいえ、一般的な求人広告に記載できる要素は限られているでしょう。
そこで重要になるのが、採用サイトと求人媒体の連携です。
拡散力の高い求人媒体と採用サイトを連携すれば、ターゲットが求めるコンテンツを自由に設計でき、同時にリーチも見込めます。
適切な求人媒体を選定すれば、他社と圧倒的な差別化を図れるでしょう。
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採用活動がうまくいかない原因の一つに「採用課題を点で捉えている」ことが挙げられます。
個々の問題を部分的に改善しようとしても、全体の流れやシステムを俯瞰的に見渡すアプローチが不足していれば、採用活動はうまくいきません。
たとえば、最近の採用動向では個別採用サイトの重要性が増しています。しかし、単に採用サイトを立ち上げ、募集要項を掲載するだけでは、期待する効果は得られないでしょう。
まず、採用サイトの存在は、あることが大前提です。
そのうえで、以下の点を意識する必要があります。
- 求職者が理解しやすいデザインになっているか?
- 求職者が自社に求める情報を網羅できているか?
- 採用ターゲットが明確になっているか?
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まとめ:採用課題を克服して求める人材を獲得しよう
採用課題を克服するためには、採用プロセス全体を分析し、どのステップで問題が発生しているかを明確にすることが重要です。
また、採用プロセスを「点」ではなく「線」や「面」として捉え、戦略的に取り組むことが成功の鍵です。
採用課題を克服して、求める人材に獲得を目指しましょう。