自社サイトを訪れるユーザーの行動を把握するなら、ヒートマップツールを活用しましょう。
クリック箇所や閲覧時間の長さなど、ユーザーの行動を可視化できるので、サイト改善に役立ちます。
「ヒートマップツールの選び方がよくわからない」
「ヒートマップツールのコストが気になる」
このように思う担当者も少なくないでしょう。
そこで本記事では、ヒートマップツールのおすすめ12選を紹介します。気軽に導入できる無料ツールや選び方、メリットも紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。
この記事の内容
ヒートマップとはユーザー行動を色分けで可視化する技法
では早速、ヒートマップの役割や種類について解説します。
- ヒートマップの役割
- ヒートマップは4種類
ヒートマップの役割
ヒートマップは、自社サイトを訪れたユーザーの行動を色分けし表示します。
熟読箇所やクリック箇所など、さまざまな動向を可視化できるため、サイトの問題点を一目で把握できるのが特徴です。
「サイトのアクセス数は多いのに、コンバージョン率が低い」
「ユーザーに届けたい情報を見てもらえているのか確認したい」
このようなときヒートマップなら、サイトの問題点や改善点も一目瞭然です。
ヒートマップは4種類
ヒートマップは大きく4種類あります。
それぞれの特徴や目的は、以下の表にまとめました。
種類 | 特徴 | 目的 |
---|---|---|
アテンション | 熟読エリアを表示 | ユーザーの滞在時間を把握する |
クリック | クリックエリアを表示 | どのリンクが注目されているかを把握する |
スクロール | スクロールエリアを表示 | スクロールでどこまで閲覧したかを把握する |
マウスフロー | マウス軌道を表示 | ユーザーの関心度が高い箇所を把握する |
アテンションは、ページの滞在時間を把握できます。熟読エリアがわかるので、ユーザーに見て欲しいコンテンツの設置場所を知りたいときに役立つでしょう。
スマートフォン用でクリックエリアを確認したい場合は、マウスフローヒートマップを使用します。
マウスの動きは目線と同じとされているため、ユーザー関心度の高いコンテンツを見極めたいときに活用できます。
ヒートマップには種類があるので、詳細に分析したいときは複数を組み合わせるといいでしょう。
ヒートマップツールを選ぶ時のポイント5つ
続いて、ヒートマップツールを選ぶ際のポイントを5つ紹介します。
- ヒートマップ以外に必要な機能が搭載されているか
- 分析可能なページ数やデータの保持期間は十分か
- サポート体制は万全か
- 導入コストが予算とマッチしているか
- 無料トライアルで体験できるか
ヒートマップ以外に必要な機能が搭載されているか
ヒートマップ以外の機能を確認しましょう。
サイトの改善点を把握するには、アクセス解析やSEO分析など、ヒートマップ以外の機能も必要です。
それぞれ目的別にツールを揃えると、コストや手間がかかります。
1つのツールに必要な機能が集約されていれば、コスト削減や業務効率化にもつながるでしょう。
分析可能なページ数やデータの保持期間は十分か
分析可能なページ数や、データの保持期間が十分であるか確認してください。
ツールによっては、ページ数に上限が設定されていたり、データ保持期間が短かったりします。
無料ツールは、気軽に導入できますが、機能が制限される傾向があるので、用途に合っているかを確認しましょう。
ページ数やデータ保持期間は、用途に合わせて選ぶのがおすすめです。
サポート体制は万全か
サポート体制が万全であるかも重要です。
まず、トラブルが生じた場合の、問い合わせ方法や時間を確認してください。
特に海外製のヒートマップツールは、日本語サポートに対応しているのが望ましいでしょう。
導入実績が豊富で有名企業なども利用しているなら、サポート体制も整っていると考えられます。公式サイトで紹介されている実績も確認してください。
導入コストが予算とマッチしているか
導入コストと予算がマッチしていることも大切です。
多機能なほど幅広い用途に対応できますが、機能を使いこなせなければ無駄なコストがかかります。
無料ツールはコストをおさえられますが、必要な機能が搭載されていなければ目的を果たせません。
ヒートマップツールを選ぶ際は、コストと予算感がマッチしているものを見極めましょう。
無料トライアルで体験できるか
無料トライアルで体験できるかも確認したいポイントです。
初めてヒートマップツールを導入する場合は、実際に使ってみないと分からないこともあるでしょう。
必要な機能が搭載されていても、取得したデータが見づらければ使いづらいと感じるかもしれません。
無料トライアルから試せるツールなら、使用感や機能を体験してから検討できます。
基本は無料でも、用途に合わせて有料プランへの切り替えが可能かもチェックしたいポイントです。
ヒートマップツールのおすすめ12選【無料あり】
では、ヒートマップツールのおすすめ12選を紹介します。
- ミエルカヒートマップ|株式会社Faber Company
- SiTest|株式会社グラッドキューブ
- Ptengine|株式会社Ptmind
- MATTRZ CX|Mattrz株式会社
- Sprocket|株式会社Sprocket
- Robee|株式会社Macbee Planet
- User Insight|株式会社ユーザーローカル
- User Heat|株式会社ユーザーローカル
- Mouse flow|エクスチュア株式会社
- Microsoft Clarity|マイクロソフト株式会社
- Appsee|Shift 6 株式会社
- Contentsquare(旧:clicktale)|株式会社ギャプライズ
ミエルカヒートマップ|株式会社Faber Company
料金 | 無料プラン:0円 ミニマム:月額9,800円 ビジネス:月額19,800円 ファースト:月額49,800円 エキスパート:月額99,800円 スーパー:月額149,800円 |
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主な機能 | 3つのヒートマップ ポップアップ機能 まとめて表示機能など |
無料トライアル | ◯(要問い合わせ) |
ミエルカヒートマップは、無料で試せるヒートマップツールです。用途に合わせた料金プランも用意されています。
熟読・離脱・クリックの3つのヒートマップ機能で、サイトを訪問したユーザーの行動を可視化します。
広告の最適化やポップアップ機能も備わっているので、コンバージョンの最適化にも役立つでしょう。
SiTest|株式会社グラッドキューブ
料金 | 要問い合わせ |
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主な機能 | ヒートマップ解析 録画再生機能 レポート機能 データ比較機能 アクセス解析機能 |
無料トライアル | ◯(要問い合わせ) |
SiTestは、Webサイトの解析から改善までを、一元管理できるツールです。
9つのヒートマップ機能を搭載しているので、Webサイトを訪れたユーザーの行動を、さまざまな視点から可視化できます。複数のヒートマップを比較すれば、より詳細な行動を分析できるでしょう。
Googleアナリティクスと連携すれば、ABテストや多変量テストの実施も可能です。
Ptengine|株式会社Ptmind
料金(税込) | 無料プラン:0円 Growthプラン:月額5,478円 Premiumプラン:要問い合わせ |
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主な機能 | ヒートマップ ABテスト サイト解析 ページ編集 Web接客 パーソナライゼーション |
無料トライアル | ◯(要問い合わせ) |
Ptengineは、ヒートマップの他にも、ABテストやサイト解析など、サイト強化に役立つ機能が搭載されています。
全ての機能は、1つのタグを設置するノーコードで使用できるので、プログラミングの知識は必要ありません。
直感的な操作で迅速なテストを実施できます。
MATTRZ CX|Mattrz株式会社
料金(税込) | 初期費用:22万円 月額費用:82,500円~(~1,000,000 PVまで) ※100万PV追加ごとに契約内容変更書で合意のうえ22,000円加算 |
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主な機能 | ヒートマップ Web接客 離脱防止 チャットボット プッシュ機能 |
無料トライアル | – |
MATTRZ CXは、ヒートマップを始め、Web接客や離脱防止など、複数の機能をワンストップで提供しています。
ヒートマップは、クリック・アテンション・スクロールの3種類を利用できます。
ヒートマップ以外にも、ホップアップや差し込み表示など、Webサイトの改善に役立つ機能がワンパッケージになっているので、幅広い用途に活用できるでしょう。
PV数が規定よりオーバーした場合は、契約内容変更書で合意の上加算されるので安心です。
Sprocket|株式会社Sprocket
料金 | 要問い合わせ |
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主な機能 | ヒートマップ サイトアクセス解析 離脱防止 ABテスト Web接客 チャットボットなど |
無料トライアル | 要問い合わせ |
Sprocketは、多機能なオールインワンツールです。
7種類のWeb接客機能、4種類のコンバージョン最大化機能、4種類の分析機能を搭載しています。
ヒートマップは、アテンション・クリック・スクロールの3種類を搭載。コンバージョンの有無や、シナリオの表示/非表示でも比較できます。
さらに、データ連携や外部サービスとの連携も可能なので、幅広い用途に活用できるでしょう。
Robee|株式会社Macbee Planet
料金 | 要問い合わせ |
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主な機能 | ヒートマップ 広告効果の自動分析 ABテスト ポップアップ チャットボット |
無料トライアル | – |
Robeeは、データ分析に特化したツールです。
さまざまな角度からデータを分析するので、LTV(顧客生涯価値)の最大化に役立ちます。
新規顧客からリピーターまで、領域をつなぎ合わせた施策と分析が可能なため、効果の最大化にもつながるでしょう。
課題ごとのサービス設計やカスタマイズも可能です。
User Insight|株式会社ユーザーローカル
料金 | 要問い合わせ |
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主な機能 | ヒートマップ |
無料トライアル | – |
User Insightは、コンバージョンレートアップにつながる、12種類のヒートマップ機能を搭載しています。
熟読エリア・終了エリア・クリックエリアの他、全クリックエリアの可視化も可能です。
さらに、マルチデバイスに対応しているため、デバイスを気にせずヒートマップを自動取得できます。
性別や年齢など、ユーザー属性の絞り込みも可能なので、特定のユーザーをターゲットにしたいときにも役立つでしょう。
User Heat|株式会社ユーザーローカル
料金 | 無料 |
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主な機能 | ヒートマップ |
無料トライアル | – |
User Heatは、無料で利用できるヒートマップツールです。
終了エリア・熟読エリア・クリックの3種類のユーザーの行動を可視化。スマートフォンやタブレットにも対応しています。
解析したいサイトのURLを入力して登録するだけなので、誰でも簡単に利用できるのがポイントです。
Mouse flow|エクスチュア株式会社
料金 | 無料プラン:0円 スターター:月額7,000円 グロース:月額22,000円 ビジネス:月額43,000円 プロ:月額83,000円 エンタープライズ:要問い合わせ |
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主な機能 | ヒートマップ フォーム フィードバック 通知 など |
無料トライアル | ◯(14日間) |
Mouse flowは、ユーザーのリアルな行動を可視化する、世界最大級を謳うツールです。
ヒートマップ機能は、スクロール・クリック・ライブの3種類を搭載。見せたい箇所を見たユーザーのセグメントもできます。
特に注目したいのが、Mouse flow固有の「ライブヒートマップ機能」。動的な分析が可能なので、エフェクトの多いページもスムーズに分析できます。
Microsoft Clarity|マイクロソフト株式会社
料金 | 無料 |
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主な機能 | ヒートマップ セッションの記録 Googleアナリティクスとの連携 |
無料トライアル | – |
Microsoft Clarityは、多機能でありながら無料で利用できるツールです。
インスタントヒートマップは、クリック・スクロールの他、選択したエリア内の合計クリック数の分析もできます。
2つのヒートマップを並べて比較もできるので、ヒートマップを活用したABテストも可能です。
分析結果はチームで共有できるため、業務効率化にも役立つでしょう。
Appsee|Shift 6 株式会社
料金 | 初期費用:無料 月額費用:95,000円~ ※詳細は要問い合わせ |
---|---|
主な機能 | タッチヒートマップ アプリ画面録画・動画分析 アプリ利用分析 イベント自動記録など |
無料トライアル | ◯(要問い合わせ) |
Appseeは、アプリユーザビリティを動画で可視化するツールです。
アプリを利用するユーザーの行動をビデオで録画するため、ユーザー視点で確認し改善点を把握できます。
タッチヒートマップ機能は、アプリ内全ての画面で行われるタッチ操作を可視化。ユーザーの行動をビジュアルで理解できる、アプリ利用分析機能も搭載されています。
Contentsquare(旧:clicktale)|株式会社ギャプライズ
料金 | 要問い合わせ |
---|---|
主な機能 | ヒートマップ ベンチマーク カスタマージャーニー分析 |
無料トライアル | デモのリクエストが可能 |
Contentsquareは、ユーザーがなぜクリックしないのかを確認できるツールです。
ヒートマップは、クリック・タップ・スクロール・スワイプなど、幅広い視点から分析できます。
ヒートマップはエクスポートできるので、チームや社内での共有もスムーズです。
クラウド型は、時間や場所を選ばず使用できるのも魅力といえるでしょう。
ヒートマップツールの注意点3つ
ヒートマップツールを利用する際は、以下に紹介する3つの注意点をおさえておきましょう。それぞれの注意点を詳しく見ていきます。
- サイト全体の傾向は把握できない
- ユーザー行動の理由までは突き止められない
- 選び方を間違えるとコストに見合った成果が得られない
サイト全体の傾向は把握できない
ヒートマップツールでは、サイト全体の傾向を把握できません。
1回に分析できるのは、1ページごとです。
サイト全体の傾向を把握したいなら、重要度の高いページのみにヒートマップツーを使用するといいでしょう。
ランディングページはABテスト、重要度の低いページはアクセス解析など、使い分ければサイト全体の傾向を把握できます。
ユーザー行動の理由までは突き止められない
ヒートマップツールは、ユーザー行動の理由までは突き止められません。
サイトのページ内で、ユーザーがどんな行動を取ったのかは色で一目瞭然です。
しかし、離脱した理由や、熟読した理由、なぜ特定のコンテンツでクリックが多いのかといったユーザー心理までは可視化できません。
ヒートマップツールは、ユーザーの行動のみを可視化します。
選び方を間違えるとコストに見合った成果が得られない
有料ツールを選んでも、必要な機能が搭載されていなければ、コストに見合った成果は得られません。
スマートフォン向けのサイトも運営しているなら、マルチデバイスに対応していることが重要です。
ヒートマップツールを選ぶ際は、目的に見合ったコストであるかのバランスをチェックしてください。
ヒートマップツールを利用する3つのメリット
次に、ヒートマップツールを利用するメリットを3つ紹介します。
- ユーザーの詳細な行動を可視化できる
- 解決すべき課題の優先順位を把握しやすくなる
- CVR向上につながる
ユーザーの詳細な行動を可視化できる
ユーザーの詳細な行動を可視化できるのは、大きなメリットといっていいでしょう。
ヒートマップは、色分けでユーザーの行動を表示します。誰が見ても一目でわかります。使い方も簡単なので、専門的な知識は必要ありません。
数字ではイメージしづらくても、色なら理解度も高まるでしょう。
解決すべき課題の優先順位を把握しやすくなる
解決すべき課題の優先順位を把握しやすいのもメリットです。
ヒートマップは、色の濃淡で結果が表示されます。
色を見れば課題の優先順位も一目瞭然です。ユーザーニーズの把握や、有益なコンテンツを見分けたいときにも役立つでしょう。
CVR向上につながる
CVR向上につながるのもメリットです。
ヒートマップで課題を可視化できれば、課題ごとに適切な対応を実施できます。サイトの課題を改善し最適化すれば、SEO効果によってCVRも向上するでしょう。
ヒートマップツールに関するよくある質問
では最後に、ヒートマップツールでよくある質問を紹介します。
無料のヒートマップツールでおすすめは何ですか?
ヒートマップのみなら「User Heat」、ヒートマップ以外の機能を求めるなら「Microsoft Clarity」をおすすめします。
いずれも無料で使い勝手がよく、多くのユーザーに支持されているので安心して利用できるでしょう。
ヒートマップツールが意味ないというのは本当ですか?
ヒートマップは、専門的な知識のない初心者でも手軽に利用できます。
サイト全体の分析はできませんが、重要なページの課題を把握したいときに適しているといえるでしょう。
ただし、ユーザーの詳しい心理は把握できません。また、分析結果の色だけで判断できない部分があることにも留意してください。
ヒートマップツールに意味がないわけではなく、用途に合ったツールを見極めることが大切です。
まとめ:ヒートマップツールを活用してCVRを向上させよう
ヒートマップツールを使えば、Webサイトを訪れたユーザーがどんな行動を取ったのかを把握できます。
重要度の高いページの分析にも適しており、サイトの課題を一目で把握できるのも特徴です。
本記事で紹介したツールの中には、ヒートマップ以外の機能を搭載したものも多くあります。用途に合わせて使い分けることで、より詳細な分析が可能です。
ぜひヒートマップツールを活用して、CVR向上を目指してください。