求人広告のNGワード・禁止表現 - ワンページメディア

求人広告は企業の採用活動において欠かすことのできないもので、大きなベクトルを占めています。他の企業とは一線を画すような印象的な広告で、求職者の心をつかみたい！と採用担当者であれば誰もが思っていらっしゃることでしょう。

自社の求める条件にマッチした人材を獲得できる求人広告は重要な目標ですが、じつは求人広告の表現には使用してはならない「NGワード」が存在しており、禁止された表現を使ってしまうと法令違反となる場合があります。

この記事の内容

求人広告で遵守すべき法律
NGワードと言い換えのアイデア
NG広告を掲載したらどうなる？
まとめ

求人広告で遵守すべき法律

求人広告を作成する場合には法律を遵守し、法律違反やモラル違反につながることのない広告にする必要があります。

労働基準法

「労働時間は1日8時間・週40時間」「〇〇県の最低賃金は時間額××円」など、賃金・時間・休日など労働条件の最低基準を定めている法律で、従業員を雇っているすべての事業所に適用されます。

男女雇用機会均等法

雇用や待遇・採用において男女平等に扱うことを定めた法律です。「男性ドライバー募集」「受付スタッフ（女性）募集」「営業マン募集。男性歓迎！」といった、男女どちらかを排除するような募集・採用は禁止されています。

雇用対策法

平成19年に法律が改正され、募集や採用における年齢制限が原則として禁止されました。除外例を除き「パソコンは若者が得意だろう」「中高年世代の方が経験豊富だな」など世代を限定して募集・採用することはできません。

職業安定法

公共職業安定所（ハローワーク）の他、職業紹介事業の運営を適正にし、職業の安定を図るために制定されました。「経理事務・〇年ごとに契約更新・月給××万円・健康保険加入・・・」のように、業務内容や賃金・勤務地・福利厚生など求人広告に掲載する最低限の労働条件を定めています。

NGワードと言い換えのアイデア

次は、実際にどのような表現が求人広告ではNGとされているのかとその理由・どのように表現すべきなのかを見てみましょう。

NGワード①男女差別につながる表現

いまは、男女関係なくスキルを発揮しキャリアを積める時代です。意図がなくとも、性差別と受け取られてしまう表現には気を付けましょう。性別を限定する名称が変更となったものは「保母・保父→保育士」や「看護婦→看護師」が有名ですが、普段使っている名称が性別限定ではないかにも気を付けましょう。

【適用除外の一例】
■芸術・芸能分野で男女のどちらかのみに従事させることが必要な職種
（タレント・俳優・モデルなど）
■防犯や正常な業務の遂行上、男性に従事させることが必要な職種
（警備員・重量物の運搬業務など）
■その他、どちらかの性別でなければならない理由がある職種
（巫女・女性専用施設のスタッフなど）

NGワード②年齢差別につながる表現

定年を迎えてもまだまだ元気に働きたいというシニア世代は年々増えています。また、夢のためにお金を稼ぎたい！キャリアを積んでスキルを磨きたい！という若い世代も。働く意欲を持った人が「自分は必要とされていないのかな・・・」と不安な気持ちを抱いてしまわないような広告を作りましょう。

【適用除外の一例】
■定年を上限として期間の定めのない雇用契約を結ぶ場合
■長期キャリア形成を目的として採用する場合
■労働基準法などで年齢制限が設けられている職種
■技能継承が必要で、労働者数の少ない職種かつ期間の定めのない雇用契約の場合

NGワード③特定の人を優遇・差別するような表現

求職者の中には、さまざまな事情を抱えた方がいます。ある特定の事情がある人を傷つけたり不快にさせたりしない思いやりは求人広告にも必要。無意識に差別的なワードを使っていないか・広告を見た人が不快感を抱くような表現ではないか、十分に配慮しましょう。

NG広告を掲載したらどうなる？

上でご紹介したNGワードを使用した広告を掲載したり、本当は厳しいノルマがあるのに「ノルマは一切ありません！」など、実態とは異なる条件を記載して「労働者をだます」ような法律違反が認められた場合、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

また法律違反が認められた場合には、行政からの是正勧告・是正されなかった場合には企業名の公表など、社会的制裁が待っています。

しかし、NGワードを使用しなければ・法律に違反しなければいいということではありません。それらのチェックを怠らないことはもちろんですが、モラルに違反していないか・表現は適切かなどにも注意する必要があります。業務の内容や待遇を分かりやすく正確に記載し、自社で働くメリットが正しく伝わることこそ、採用のマッチング率を上げ採用精度を高める基本中の基本なのです。