求人原稿の書き方ガイド!応募したくなる求人広告のコツを例文付きで紹介

採用活動を進める中で「求人原稿をどう作成すればよいのか分からない……」「自社の魅力をうまく伝えられない……」と悩む採用担当者は多いでしょう。

そこで本記事では、求人原稿の基本的な書き方から、応募が集まる原稿のコツまで、実例を交えて解説します。

求人原稿に必ず記載すべき情報

求人原稿には、職業安定法により明示が義務付けられている項目があります。

以下は、求人原稿に必ず記載すべき情報と、その記載例です。

項目 記載のポイント 記載例
業務内容 個々のタスク(職務内容)と混同しないように注意 顧客企業への営業活動全般(訪問・提案・契約締結)を担当
契約期間 正社員の場合は期間の定めなし
契約社員の場合は必ず記載
期間の定めなし
期間の定めあり(6か月ごとに契約更新の可能性あり)
試用期間 試用期間の有無、期間、その間の待遇差など明記 試用期間あり(3か月)
期間中も待遇変更なし
就業場所 本社や支店が複数ある場合「配属予定地+異動の可能性」も明記しておくとトラブル防止になる 本社または関東圏内の各拠点
※業務上の都合により変更の可能性あり
就業時間 就業時間だけでなく、休憩・所定労働時間・残業の有無なども記載する 9:00~18:00(休憩60分)
実働8時間/月平均残業20時間程度
休日・休暇 「年間休日数」「週休〇日制」など、制度がわかる表現を用いる 完全週休2日制、祝日、年末年始
休暇、年間休日120日
時間外労働 固定残業代がある場合は「時間数」「超過分支給」も記載 時間外労働あり(固定残業代20時間分含む、超過分は別途支給)
賃金 固定残業代・基本給・手当を分けて明記 月給25万円(基本給20万円+固定残業代5万円/20時間分)
※超過分別途支給
加入保険 法定4つ(雇用・労災・健康・厚生年金)は明記必須 雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金
雇用形態 「正規か非正規か」だけでなく、契約社員やパートタイムなど、具体的に分類して表記 正社員(期間の定めなし)
※試用期間3か月あり
受動喫煙防止措置 就業場所の「喫煙可否」は義務
厚生労働省が定める表現を使用
屋内禁煙(屋外に喫煙スペースあり)
募集者の氏名または名称 実際の募集主体を正確に記載 株式会社〇〇
派遣労働者として雇用するか 正社員・契約社員・パート等の雇用形態で「派遣ではない」場合も、明示が必要 派遣労働者としての雇用ではありません

参考:厚生労働省 令和4年職業安定法改正について

職業安定法の改正(2022年10月施行)により、企業には「求人情報の正確かつ最新の表示」が義務づけられています。記載ミスや内容の更新忘れにも注意しましょう。

求人原稿で応募を増やす8つのコツ|例文付き

それでは、求人原稿で反応率を高める具体的な8つのコツを、例文を交えて解説します。

  1. キャッチコピーを工夫する
  2. 採用ターゲット情報を原稿に取り入れる
  3. 求職者目線で情報提供する
  4. 文章トーンを採用ターゲットに最適化する
  5. オリジナルの写真・動画を活用する
  6. 自社の強みをアピールする
  7. 自社が求める人材が集まる求人媒体を利用する
  8. 掲載後は必ず効果検証して改善する

キャッチコピーを工夫する

求人原稿で最も重要なのが、キャッチコピーやタイトルです。タイトルで興味を引かなければ、いくら内容が魅力的でも見てもらえません。

また【】を使って注目ワードを囲むと、視認性が高まり、クリック率向上につながるでしょう。

<安定を訴求するキャッチコピーの例>

  • 【創業〇〇年】歴史ある企業でキャリアを築こう
  • 【月給28万円~/賞与年2回】実力はしっかり評価
  • 【完全週休2日制】ワークライフバランス重視の職場
  • 【上場企業グループ】将来性×安心感のある環境で働く
  • 【転勤なし】地元でずっと働きたい方に

<やる気を訴求するキャッチコピーの例>

  • 【未経験OK】新しい挑戦を始めよう
  • 【20代~30代活躍中】若手に任せる会社です
  • 【明確なキャリアパスあり】将来の管理職候補を募集!
  • 【教育制度◎】育てる文化がある会社です

<印象に残るキャッチコピーの例>

  • 【先輩の9割が未経験入社】だから、気持ちが分かる
  • 【毎月、社長と1on1】距離が近いから、成長も早い

タイトルは、求人の顔です。ターゲットに刺さる具体的な言葉を選び、視覚的にも伝わるよう工夫しましょう。

キャッチコピーの作り方やコツは、こちらの記事を参考にしてみてください。

求人広告キャッチコピーの作り方!応募を集めるコツや刺さる・面白い事例も紹介

採用ターゲット情報を原稿に取り入れる

求職者に「これは自分に向けた求人だ」と思ってもらえれば、応募率向上につながるでしょう。

以下は、ターゲット像と例文です。

ターゲット像 求人原稿の例
責任感があり、成果にこだわるタイプの人 成果を出すほどチャンスが増える環境です。努力が正当に評価されたい方にぴったりの職場です。
主体性のある人材 指示待ちではなく、自ら提案・行動できる方を歓迎します。自由度の高い風土で裁量を持って働けます。
経験が浅くてもポテンシャルがある若手 未経験からスタートした20代が、入社1年でリーダーに。若手が活躍できる環境が整っています。
人と接するのが好きなコミュニケーション力重視の人 お客様との雑談から商談につながることも。話好きなあなたの性格が、そのまま武器になります。
転職で環境を変えたいと考えている人 「このままでいいのかな?」と思ったその瞬間が、変わるチャンスです。
チームで協力して働きたいタイプの人 部署の垣根を超えて助け合うカルチャーがあります。

どんな人を採用したいかを明確に原稿に落とし込むと、求職者の自己投影を促し、応募率の向上に直結します。

求職者目線で情報提供する

求人原稿は「求職者が知りたい情報」を先回りして提供しましょう。

Wantedlyの調査では、転職者が重視する項目として「仕事内容のやりがい」「自己成長性」「給与水準」が上位に挙がりました。

これを求人原稿に活かすポイントは、以下のとおりです。

「仕事内容のやりがい」を具体的に伝える 「新商品の企画に1年目から関われるため、自分のアイデアがカタチになる瞬間にやりがいを感じられます」
「成長できる環境かどうか」を丁寧に解説する 「週1回の1on1で目標設計をサポート。半年ごとの評価制度で、スキルアップに応じた昇給・昇格のチャンスも明確です」
「職場の雰囲気・カルチャー」を写真・動画で伝える 「社内Slackではフラットに会話が飛び交い、立場関係なく意見交換をしています」
「働き方の柔軟性」も情報として歓迎される 「月の出社は4日まで。リモートメインで働き方の裁量が高く、副業との両立も可能です」

注意点として、実態ベースに基づいた情報を記載しましょう。実績や数値は、確認可能な範囲で記載すると信頼性が高まります。

文章トーンを採用ターゲットに最適化する

求人原稿は「誰に届けたいのか?」を明確にし、そのターゲットに合わせて言葉遣い文章トーンを最適化しましょう。

以下は、ターゲットによって変える項目の例です。

項目 若手・未経験者向け 中堅向け
文章の長さ 端的に分かりやすく 詳細かつ論理的
言葉選び 口語調 専門用語を交えて
トーン 親しみやすさ 落ち着いた雰囲気

上記は、あくまで一例です。

必ずしも「若手だからフレンドリーな口調で」「管理職には硬い表現で」が正解とは限りません。

自社のブランドイメージを保ちつつ、採用ターゲットベースで最適化しましょう。

オリジナルの写真・動画を活用する

企業の魅力を視覚的に伝えるには、オリジナルの写真や動画を活用しましょう。

写真や動画を活用するメリットは、以下のとおりです。

  • 仕事内容や職場の様子が伝わり、ミスマッチを防げる
  • 実際に働く人やオフィス風景を映すことで安心感が生まれる
  • 動画は短時間で多くの情報が伝わる
  • 一度作れば様々な媒体で活用できる

以下は、活用方法の一例です。

  • 仕事内容の紹介動画を埋め込む
  • 社員インタビュー動画でリアルな声を届ける
  • オフィスや職場の写真を掲載する
  • 会社説明・理念を動画配信する

テキスト中心の求人広告だけでは伝わりにくい「人」「空気感」「働くイメージ」こそ、写真と動画が最大限に効果を発揮するポイントです。

自社の強みをアピールする

求人原稿で他社と差別化するには、自社ならではの「強み」「魅力」を具体的に伝えましょう。

以下は、自社の強みを原稿に落とし込む手順です。

  • 他社と差別化できる「独自の強み」を明確にする
  • 強みが日常的に「どう活きているか」を描写する
  • 社員の声でリアリティと説得力を出す
  • キャッチコピーで印象づける

上記を踏まえた求人原稿の例が、以下のとおりです。

自社の強み 原稿例
人間関係の良さ 社員の離職率は過去5年間でわずか1名。理由は「人の良さ」。上司も気さくで、困っていたら自然に誰かが声をかけてくれる環境です。
裁量権がある 「自分らしい働き方ができる」そんな職場を目指しています。興味のある業務への立候補や、プロジェクトのリーダーも年次関係なく挑戦可能。
仕事のやりがい 「あなたの提案が会社を変える」。新しいアイデアは年齢や役職を問わず歓迎されます。
成果が評価される制度 成果に応じたインセンティブ制度を導入。営業では「1件成約につき◯円」と明確なルールがあり、頑張った分だけ収入に直結します。

求人原稿で強みをアピールする際は「求職者目線」で書きましょう。自社の魅力を、求職者が自分に関係あるとイメージできるよう具体的に伝えてください。

自社が求める人材が集まる求人媒体を利用する

求める人材を獲得するには、知名度の高さや料金の安さで選ぶのではなく「自社が求める人物像」と「求人媒体の特徴」がマッチしているかを見極めましょう。

以下に、代表的な媒体と特徴をまとめました。

求人媒体 特徴
Indeed 国内最大の求人検索エンジン。全職種・全年齢層が登録
求人ボックス カカクコム運営の求人検索エンジン。幅広い年齢・職種層が登録
doda 経験者・即戦力採用に強い
マイナビ転職 若手〜ミドル層・地方採用にも強い
BizReach ハイクラス・即戦力人材の採用に強み
Wantedly 共感採用重視。20〜30代、IT・クリエイティブ志向の人材採用に強み
Re就活 第二新卒・20代未経験人材に特化
女の転職type 正社員希望の女性に特化

求人媒体は、無料と有料オプションを上手に併用するのも効果的です。

おすすめの求人媒体は、こちらの記事で詳しく紹介しているので参考にしてみてください。

求人媒体おすすめ20選の特徴や費用を比較!無料掲載できるサービスも紹介

掲載後は必ず効果検証して改善する

求人媒体に掲載した後は、効果検証を実施しましょう。

応募数が想定どおりに集まらなかった場合、原因はさまざま考えられます。

以下は、原因と要因の例です。

<検証の例>

採用課題 考えられる要因
閲覧数はあっても応募が少ない 求人原稿で魅力が伝わっていない
閲覧数も応募数も少ない 媒体の選定がターゲットとマッチしていない
応募はあるが面接辞退が多い 条件面の見直しやスカウト文面が適切ではない

これらのデータをもとに、原稿の内容や表現、写真、媒体の使い方などを改善すれば、採用成功率が徐々に高まるでしょう。

求人原稿の書き方で気をつけたい注意点

求人原稿を書く際は、以下の点に注意しましょう。

  1. 情報を詰め込みすぎない
  2. 内容に対する裏付けをする

情報を詰め込みすぎない

求人原稿を作る際「あれもこれも書かないと」と、情報を詰め込むのは逆効果です。

応募者にとっては「情報が多すぎる求人=読みにくい」という印象になりかねません。

要点を絞り、重要な情報を目立たせて、読みやすく工夫しましょう。

<工夫例>

  • 冒頭で「どんな仕事か・どんな人を求めているか」を一文で明記
  • セクションごとに見出しを設け、情報を整理
  • 箇条書きやアイコン、表などを使って視認性をアップ

情報は最小限に、伝わる原稿構成を心がけましょう。

内容に対する裏付けをする

「アットホームな職場です」「やりがいのある仕事です」

このようなありきたりで曖昧な表現だけを並べてしまうと、かえって信ぴょう性に欠け「実際はどうなの?」と疑念を持たれてしまうでしょう。

言葉に説得力を持たせるには、具体的なデータや実績を伝えると効果的です。

<具体的根拠の表現例>

若手が活躍中 平均年齢:28.5歳
入社3年以内の社員が40%在籍
働きやすい環境 有給取得率:96%
月平均残業時間:10時間
在宅勤務制度あり
育休・産休取得率100%
定着率が高い職場 直近3年間の離職率:5%未満
平均勤続年数:9.2年
社員の半数が10年以上勤務
アットホームな雰囲気 社員旅行や懇親会を年4回実施
毎月の1on1ミーティング導入
社内チャット文化あり
女性が活躍中 女性管理職比率:35%
育休復帰率:100%
時短勤務の対象者数:15名(全体の約◯%)
キャリアアップが可能 昇格者の平均年齢:32歳
3年以内にリーダーへ昇進した社員:12名

記載時は、社員の声や実際のエピソードも添えると、さらにリアリティが増すでしょう。

求人原稿でよくあるNG表現・避けるべき書き方

求人原稿における、よくあるNG表現と避けるべき書き方を紹介します。

  1. 性別に基づく募集制限
  2. 「年齢」を制限する記載
  3. 抽象的なフレーズ
  4. 心身の状態や外見に関する表現
  5. 実態とは異なる条件

性別に基づく募集制限

男女雇用機会均等法により、性別を理由にした募集制限や優遇は原則禁止されています。

<NG例>

  • 営業マン募集
  • 事務職(女性歓迎)
  • 男性3名、女性2名採用予定

特定性別に活躍実績があることを「事実として伝える」のはOKですが、応募を制限するような文言になっていないか細心の注意を払いましょう。

「年齢」を制限する記載

年齢による応募制限も、原則禁止されています。

これは、労働施策総合推進法(旧:雇用対策法)によって義務付けられており、企業は年齢に関係なく応募機会を提供する必要があります。

<NG例>

  • 35歳以下の方
  • 20代限定募集
  • ◯代以上の方は別枠でご応募ください

どうしても年齢に関わる背景がある場合は「業務遂行上必要なスキルや経験」として、職務内容の具体化に落とし込むとよいでしょう。

抽象的なフレーズ

「やる気があればOK」「風通しの良い社風」など、抽象的な言葉ばかりでは、魅力が伝わりません。誇張表現と思われないように、事実に基づいた具体的な情報を提供しましょう。

たとえば「やりがいのある仕事」という表現を使いたい場合「お客様の声を直接聞けるので、社会の役に立っている実感が得られます」のように、業務内容と結びつけて描写します。

求人原稿は「特定の人物に刺さる」表現が効果的です。

心身の状態や外見に関する表現

「健康な方」「身長◯cm以上」などの身体条件や、外見や性格に関する記載は、差別や偏見につながる可能性があるので避けましょう。

特に判断しづらいのが、性格に関する表記です。たとえば「明るい方歓迎」「元気な方」などの表現は、一見すると職場の雰囲気を伝える言い回しに見えるかもしれません。

しかし、これらは応募者の心身状態を条件にしていると見なされ、法律上NGとされています。

必要な要件がある場合は「20kg程度の荷物を持ち運ぶ業務がある」「1日数時間、立ち仕事が続きます」など、業務に基づいて説明するとよいでしょう。

実態とは異なる条件

実際の労働条件と異なる内容の記載は、職業安定法により禁止されています。

たとえば、実際には「基本給30万円+インセンティブ」の想定であっても、月収40万円とだけ記載すれば、虚偽の表記と見なされる可能性があります。

また「年末年始休暇あり」と記載したとしても、業務都合で出勤が発生する可能性があれば、避けるべきでしょう。

こうした表現は、入社後のギャップによる早期離職トラブルの原因にもなり、企業の信用失墜につながりかねません。

求人原稿は、あくまで事実に基づいた内容で構成し、誤解を生まないよう丁寧に記載してください。

参考:令和4年職業安定法の改正の概要について

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まとめ:求人原稿こそこだわって作成しよう

求人原稿は、誰に向けて、どのような魅力を伝えるかを明確にし、正確でわかりやすい表現を使いましょう。

また、法律に違反しないように注意しながら、共感を得られる内容にすると、より多くの求職者に届きます。されど求人原稿です。しっかりとこだわって作成しましょう。