採用イベントで求める人材を獲得！種類や手順・面白い事例まで紹介

近年、企業は求人広告や面接だけではなく、多様な採用イベントを通じて求職者との直接的な交流を深めています。

採用イベントは、企業が理想の人材を見つけるための重要な場のこと。求職者は、企業の文化やビジョンを直に感じられ、企業側も候補者の本質を見極めるという双方にとって良い機会となります。

では、具体的にどのような採用イベントがあり、成功するには何を準備すればいいのでしょうか。

本記事では、採用イベントの種類や手順、さらにはユニークな手法で成功を収めた事例を紹介します。企業が求める人材を効果的に獲得するためのヒントになるので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事の内容

採用イベントの種類は9タイプ
採用イベントの開催方法
- Web上のオンライン開催
- イベントホールや会議室でのオフライン開催
大規模な採用イベントのメリット・デメリット
- 大規模採用イベントのメリット
- 大規模採用イベントのデメリット
中・小規模の採用イベントのメリット・デメリット
- 中・小規模採用イベントのメリット
- 中・小規模採用イベントのデメリット
採用イベントの開催手順5ステップとポイント
採用イベントの面白い企画事例3選
採用支援ならワンページにお任せ
採用イベントを成功させて求める人材を獲得しよう

採用イベントの種類は9タイプ

採用イベントは、企業が理想的な人材を獲得するための重要な手段の一つです。企業のニーズや求職者の特性に合わせて、さまざまなタイプの採用イベントが開催されます。

ここからは、代表的な9種類の採用イベントを紹介するので、自社に適した方法を検討してみてください。

総合型イベント
業界特化型イベント
学部・学科限定型イベント
学内説明会
個別企業説明会
セミナー・ワークショップ
インターンシップ
社員座談会
ミートアップ

総合型イベント

総合型イベントは、複数の企業が一堂に会する大規模な採用イベントです。就職博やキャリアフォーラムなどが挙げられるでしょう。

主要なイベントでは、来場者数34万人以上、出展企業数1万社以上にのぼる大規模なものもあり、大企業から中小企業、ベンチャー企業まで業界問わず参加できます。

非常に多くの来場者が集うため、企業は短時間で多くの求職者に出会えます。

このようなイベントでは、企業ブースを訪れる求職者に対していかに自社を印象付けるかが肝心で、企業の魅力をアピールするためのブース設計やパンフレット作成に力を入れる必要があるでしょう。

業界特化型イベント

特定の業界に興味を持つ求職者と、その業界を専門とした企業が集まる業界特化型イベント。業界に精通した優秀な人材を効率的に見つけられ、マッチングの精度が格段に高まるでしょう。

ただし、競合が集まりやすいため、自社の専門性や独自性を強調しなければ効果は得られません。

自社の技術力や実績、業界での地位をアピールする資料やプレゼンテーションを準備し、他社との差別化を図ってみてください。

学部・学科限定型イベント

学部・学科限定型イベントは、特定の学部や学科の学生を対象にした採用イベントです。

たとえば、工学部や経済学部、医学部などの学生を対象にしたイベントが挙げられます。

企業側は、自社の業務に直結する専門知識やスキルを持った学生と直接交流できるので、求めている人材に出会える確率が高くなるでしょう。

求職者にとっても、自分の専門分野に特化した企業と出会えるためミスマッチを避けやすく、双方にとってメリットの大きいイベントといえます。

成功の秘訣としては、大学との連携が重要であり、講義や研究内容を考慮した内容の企画が求められます。

学内説明会

学内説明会は、企業が大学や専門学校のキャンパス内で開催する説明会です。

学生にとって身近な場所で行われるため多くの学生が参加しやすく、企業もターゲット層にアプローチしやすいのが特徴です。

学内説明会の戦略としては、企業の文化や業務内容を詳しく説明するだけでなく、質疑応答の時間を設けることで、より興味を持ってもらいやすいかもしれません。

また、学内のキャリアセンターと連携することで、参加者の集客やイベントの運営がスムーズになるでしょう。

個別企業説明会

企業が単独で開催する個別企業説明会も、多くの業界で導入されている方法です。

求職者側は、ある程度の興味と予備知識を持って参加することが多く、自社の魅力を最大限にアピールすれば、エンゲージメントの向上が期待できるかもしれません。

ただし、知名度の低い企業の場合、集客が難しい可能性があるでしょう。

早めに告知を開始し、ターゲットとなる求職者に対して効果的に情報を届けることが重要です。

SNSやメール、求人サイト、大学のキャリアセンターなど、多様なチャネルを活用して広く情報を発信しましょう。

特に、ターゲット層に響くメッセージや魅力的なポイントを強調することで、興味を引きやすくなります。

セミナー・ワークショップ

セミナーやワークショップ形式のイベントは、企業が特定のテーマに基づいて講義や実践的な活動を行うものです。

企業は、求職者に対して自社の専門知識やスキルを伝えるだけでなく、求職者の能力や適性を見極める重要な機会であることは間違いありません。

たとえば、プログラミングのワークショップやマーケティングのセミナーなど、実務に直結する内容だと効果的です。

求職者にとっても、自身のスキルアップや業界理解を深める貴重な機会となるので、定期的に実施してみるといいでしょう。

インターンシップ

インターンシップは、求職者が実際に職場で働く経験を通じて、業務内容や職場環境を理解しやすいプログラムとして多くの企業が取り入れています。

求職者の実務能力や適性を実際の業務を通じて評価しやすいため、長期インターンシップや短期集中型など、さまざまな形式を用意するといいかもしれません。

インターンシップの平均期間は、6ヶ月〜1年未満といわれていますが、長期であればあるほど企業と求職者の相互理解が深まり、採用後のミスマッチを防ぐ効果が期待できます。

また、インターンシップを経験した学生は、その企業に対するロイヤルティが高まる傾向にあるのでぜひ実施したいところです。

社員座談会

企業の現役社員と求職者が直接交流する場として、社員座談会も人気の方法です。

リラックスした雰囲気の中で、社員のリアルな声や体験談を伝えられるため、求職者に企業の文化や職場環境をより具体的にイメージしてもらえます。

また、交流する中で、求職者の人柄やコミュニケーション能力を自然な形で観察できるので、小規模であればあるほど参加者の特性をつかみやすくなるでしょう。

ミートアップ

ミートアップは、企業と求職者がカジュアルな環境で交流するイベントです。スタートアップ企業やIT企業などでよく行われ、自由な雰囲気の中で互いの理解を深めることが目的です。

主催側によって内容は異なりますが、テーマを設けてディスカッションしたり、軽食やドリンクを交えたネットワーキングの場を提供したりと、参加者同士の距離を縮める工夫をすると有意義な時間になるかもしれません。

ミートアップでは、企業担当者と求職者が対等な立場で話せるため、フランクに交流できる点が魅力といえるでしょう。

採用イベントの開催方法

採用イベントの開催方法は多様化しており、技術の進歩とともに、オンラインとオフラインの両方での開催が一般的になってきました。

ここでは、オンライン開催とイベントホールや会議室での対面イベントの特徴について詳しく解説します。

Web上のオンライン開催

オンライン開催は、地理的な制約を超えて多くの求職者と接触できる利点があります。

Web上で採用イベントを開催する際は、適切なオンラインプラットフォームを選ばなくてはなりません。

主要なものでいうと、ZoomやMicrosoft Teams、Google Meetなどのビデオ会議ツールはもちろん、RemoやHopinなどのイベント専用プラットフォームも有効です。

これらのプラットフォームは、ブレイクアウトルームやネットワーキング機能を備えており、求職者とリアルタイムでのコミュニケーションが可能になります。

魅力的なコンテンツであることも重要です。

オンラインという特性上、対面のイベントに比べて参加者の反応や温度感を計りにくいと感じるかもしれません。

参加者の興味を引くためにも、動画やプレゼンテーション資料を活用し、企業の魅力を視覚的に伝える必要があるでしょう。

チャット機能やリアルタイムでのQ&Aセッションを活用し、参加者が質問しやすい環境を作ることも重要です。

イベントホールや会議室でのオフライン開催

オフライン開催は、直接の交流を通じて企業の雰囲気や文化を求職者に伝えやすいことが特徴です。

開催に当たっては、参加者の利便性を高めるために、参加者数やイベントの規模に応じた適切な会場を選び、アクセスの良い場所を選定する必要があるでしょう。

イベント当日は、スムーズな運営を確保するために、事前の準備とスタッフの配置は欠かせません。受付対応や案内をはじめ、各プログラムが円滑に進行するよう努める運営力も求められます。

イベント終了後は、次のステップにつなげるアクションをしてみてください。

名刺交換やアンケートを通じて得た情報を基に、求職者に対して適切な対応をします。イベントの成果を評価し、次回の開催に向けて改善点を洗い出すと良いでしょう。

オンラインとオフライン、それぞれの方法を取り入れて、効果的な採用イベントを実施してみてください。

大規模な採用イベントのメリット・デメリット

大規模な採用イベントは、企業にとって一度に多くの求職者と出会う非常に重要な機会となります。来場者数、参加企業が多い分、メリットとデメリットを理解したうえで挑まなくてはなりません。

大規模採用イベントのメリット

大規模なイベント最大のメリットは、多くの求職者にアプローチが可能な点でしょう。

イベントには、学生から経験豊富なプロフェッショナルまで、多様なバックグラウンドを持つ求職者が集まります。このため、企業は多様なスキルセットや経験を持つ候補者と出会えるチャンスが増え、自社に最適な人材を見つけられます。

また、企業ブースやプレゼンテーションを通じて、自社のブランドや企業文化を広くアピールできる点も魅力の一つでしょう。単独イベントでは、集客力が求められます。知名度が低い場合、参加者を集めるために四苦八苦するかもしれません。

その点、大規模イベントでは、集客する必要がなく、さらに企業の知名度やイメージアップが図れ、長期的な採用活動にもプラスの効果をもたらします。

大規模採用イベントのデメリット

大規模採用イベントのデメリットの代表格は、競争の激化でしょう。

イベントには名の知れた有名企業も出展します。どうしても人気企業に注目が集まりやすく、知名度の低い企業は求職者の関心を引きにくい傾向があるでしょう。

他社と差別化を図らない限り、求職者に印象を残せないかもしれません。

もう一つネックになるのは、コスト面です。

出展料やブース設営費、スタッフの派遣費など、高コストになる可能性があります。特に、企業ブースのデザインやプロモーション資料の作成にかかる費用が大きな負担となることがあるので、予算には気をつけたいところです。

中・小規模の採用イベントのメリット・デメリット

中・小規模の採用イベントは、大規模イベントに比べてよりターゲットを絞った採用活動が可能です。学部・学科に特化したイベントや、単独開催のイベント、ミートアップなどが該当するでしょう。

このようなイベントでは、特定の人材を効果的に発掘するための場として、多くの企業が実施しています。

ここでは、中・小規模の採用イベントのメリットとデメリットを企業側の視点から詳しく解説します。

中・小規模採用イベントのメリット

中・小規模の採用イベントでは、個別対応がしやすい点が魅力の一つです。

たとえば単独イベントでは、参加者の数を自社で設定できるため、求職者一人ひとりに対して丁寧な対応が可能になります。求職者の疑問や不安に対して直接的かつ具体的に回答でき、企業の魅力を深く伝えられるでしょう。

また、参加者の多くが、すでに自社に興味関心を抱いて参加するため、エンゲージメントの高い求職者と出会えます。積極的な交流を持つことで、採用の成功率が高まるかもしれません。

大規模イベントのデメリットでも挙げたコスト面に関しても、中・小規模イベントではメリットに変わります。

規模が小さければ出展料や運営コストも比較的低いため、限られた予算で効果的な採用活動をしたい企業にとって、費用対効果の高い選択肢となるかもしれません。

中・小規模採用イベントのデメリット

一方、中・小規模イベントは、参加者の母数が少ないことが課題になってきます。

企業の知名度が低い場合、参加者数が少なくなるケースが多く、事前のプロモーションやマーケティング活動に力を入れなければなりません。

また、求職者のバックグラウンドやスキルセットの多様性が限定される可能性があります。特に、業界特化型や学科別のイベントなど特定の職種やスキルに絞ったイベントでは、偏った人材しか集まらないリスクが伴うかもしれません。

規模の小さなイベントでは、特定のターゲットに焦点を当てた効果的な採用活動を実現する一方で、集客力や多様性の面での課題が残されます。イベント開催前の宣伝や告知内容など、事前準備の徹底が必要になるでしょう。

採用イベントの開催手順5ステップとポイント

採用イベントを成功させるためには、計画的な準備と実行が重要です。

ここでは、採用イベントの開催手順を5つのステップに分けて詳しく説明し、それぞれのポイントを紹介します。

採用イベントの目的を明確にする
求める人材の人物像を明確にする
採用目的に合致したイベントを決定する
採用イベント開催に向けて事前準備をする
参加者へのフォロー体制を整える

採用イベントの目的を明確にする

まず、採用イベントの目的を明確に設定することが重要です。

具体的には、どのような人材を何名採用したいのか、長期的なブランディングも兼ねた開催なのかを明確にしてください。

このステップでは、経営層や人事部門と連携し、企業全体の採用戦略に基づいて目的を設定します。

目的が明確になることで、後続のすべてのステップが一貫性を持ち、効果的に進められるでしょう。

求める人材の人物像を明確にする

目的を設定したら、採用したい人材の具体的な人物像を明確にしましょう。

具体的には、職種ごとの必要なスキルセットや経験、性格や価値観、文化フィットなどを含めた詳細なプロファイルを作る必要があります。

このプロセスでは、現場のマネージャーやチームリーダーとも密に連携し、実際の業務に必要な要件を洗い出します。

明確な人物像を持つことで、イベントの企画や運営、参加者とのコミュニケーションが効果的に実施できるでしょう。

採用目的に合致したイベントを決定する

採用イベントの種類は多岐にわたりますが、企業の採用目的に合致した方法を選定することが重要です。

目的に合わないイベントに時間や労力を費やしても、費用対効果は十分に得られません。

認知度を高めて企業ブランディングを高めたいのであれば学内説明会、即戦力を求めているのであれば、業界に特化したセミナーや個別対応が可能な社員座談会と、選定基準を定めておいてください。

ただし、予算やリソース、ターゲット層の特性なども考慮してください。過去のイベントの成功事例や失敗例を参考にし、最も効果的な形式を選ぶことで目標達成に近づけます。

採用イベント開催に向けて事前準備をする

イベント成功には綿密な事前準備が欠かせません。

以下のポイントを押さえた準備を実施してみてください。

スケジュール設定	イベントの開催日程を決定し、スケジュールを確定。早めの告知と広報活動を行い、ターゲット層に情報を届ける
会場確保	オフラインイベントの場合、アクセスの良い場所で十分な設備が整った会場を選定する。オンラインイベントの場合、使用するプラットフォームを選定し、必要な機材や技術的な準備を整える
コンテンツ作成	プレゼンテーションやワークショップ、Q&Aセッションなど、参加者が興味を持ち、参加しやすいプログラムを作成する。企業の魅力や強みをアピールできるコンテンツを重視する
広報活動	SNSや求人サイト、大学のキャリアセンターなどを通じて、イベントの告知をする。ターゲット層にリーチするための効果的な広報戦略を立て、参加者を募集すると良い
スタッフの配置	イベント当日の運営スタッフを確保し、役割分担を明確にする。事前にリハーサルをし、当日の流れをシミュレーションしておくことが重要

これらの準備を徹底することで、企業の採用活動全体の効果が向上します。

準備の重要性を理解し計画的に取り組むことが、理想的な人材を獲得するための鍵となるでしょう。

参加者へのフォロー体制を整える

イベント終了後のフォローアップは、採用活動の成否を左右する重要なステップです。

参加者へのフォロー体制は、以下を参考にしてみてください。

迅速な対応	イベントで出会った求職者に対して、迅速に感謝のメッセージや次のステップについての連絡を実施する
データの整理	イベントで収集した求職者の情報を整理し、データベースに登録する。効率的に連絡できるよう関係者に共有しておく
面談や選考のスケジュール設定	フォローアップ面談や選考プロセスのスケジュールを迅速に設定し、求職者に対して明確なアクションプランを提供する
継続的なコミュニケーション	採用プロセス全体を通じて、求職者との継続的なコミュニケーションを維持する。定期的な更新やフィードバックを提供し、求職者の関心を引き続き高めておく。