採用の失敗はなぜ?8つの事例と原因・11個の解決策を紹介

「採用後、すぐに辞められてしまう……」
「直前に内定辞退されてしまう……」

採用の失敗は、企業にとって大きな痛手です。

こうした失敗の原因が特定できず、改善策を立案できないと悩む企業担当者は少なくありません。

そこで本記事では、採用失敗の事例を8つ紹介し、これらの問題を克服するための具体的な解決策を11個紹介します。

「求める人材を見つけるヒントが欲しい」
「なぜ毎回同じ失敗をしてしまうのか原因を知りたい」

採用の失敗を活かし、優秀な人材を確保したい採用担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

選考中の採用失敗事例とその原因

採用プロセスには、多くの段階があり、各段階での小さなミスが最終的な採用失敗につながることがあります。

ここでは、選考中に発生しやすい採用失敗事例と、その原因を5つ紹介します。

  1. 応募者が集まらなかった
  2. 採用したい人物に出会えなかった
  3. 面接時の不手際で誰も採用できなかった
  4. 選考途中で辞退されてしまった
  5. 内定後に辞退されてしまった

応募者が集まらなかった

求人を出しても応募者が集まらなかったという状況は、多くの企業が抱える失敗例です。

この状況が発生しやすい原因として、求人方法が偏っている場合があります。

従来は、求人サイトへの掲載が一般的でした。しかし、ターゲットニーズに合わせたプラットフォームで公開されていない場合、求職者に情報が届きません。

ターゲット層に合わせて、SNSや求人媒体の運用、個別の採用ページと求人サイトの連携など、新たな手法を導入するといいでしょう。

採用したい人物に出会えなかった

応募が集まっても、採用したい人物に出会えなかったというのも、失敗事例の一つです。

その原因は、採用基準が曖昧で、求める人物を引き寄せられていない点大きいでしょう。

求める人物像やスキルセットを具体的に設定し、求人情報に反映させてみてください。より適切な候補者と出会う可能性が高まります。

面接時の不手際で誰も採用できなかった

選考中の失敗は、面接対応時の不手際によっても発生します。

多くの場合、面接官のスキル不足に起因することが多いでしょう。

面接官が候補者の能力や適性を正しく判断できず適切な質問ができないと、優秀な人材を見逃しかねません。

面接官に対するトレーニングを定期的に行い、再現性のある面接マニュアルを作成してみてください。

選考途中で辞退されてしまった

選考途中の辞退も、よくある失敗例です。

このケースでは、企業側が自社の魅力を十分に伝えられていない可能性があります。

求職者は、働く環境やキャリアパスを重視する傾向があります。これらの情報が伝わらないと、他社の選考を優先してしまうかもしれません。

面接時に企業の強みや成長機会をしっかりアピールし、候補者が選考に進みたいと思える内容を実施してみてください。

内定後に辞退されてしまった

内定後の辞退も、企業にとっては痛手です。

この原因は、オファー後のフォローアップが不足している可能性があります。

内定通知後、候補者とのコミュニケーションが途切れると、不安や他社への興味が高まり、結果的に辞退につながるでしょう。

定期的に連絡を取り、入社への期待感を高めるフォローを実施してみてください。

入社後の採用失敗事例とその原因

採用プロセスが順調に進んでも、実際に業務が始まると予想外の問題が発生することがあります。これが「採用のミスマッチ」として現れ、企業にとっても大きな課題に発展するでしょう。

入社後によく見られる失敗事例は、以下のとおりです。

  1. 想定のスキルと実際の能力にギャップが生じた
  2. 入社後すぐに退職されてしまった
  3. 入社後のフォローアップが不足していた

想定のスキルと実際の能力にギャップが生じた

採用時に期待していたスキルが、実際には十分に発揮されないことがあります。

その原因の一つは、職場の雰囲気に馴染めず、持っているスキルや経験を活かせないことです。

スキルや豊富な経験があっても、必ずしも配属された部署でその能力を発揮できるとは限りません。

職場環境や業務内容が合わなければ、期待通りの成果を得られない場合もあります。

適材適所を見極めるためには、入社後にさまざまな業務に携わってもらい、社員の強みや適性を見出す必要があるでしょう。

入社後すぐに退職されてしまった

入社後すぐに退職されてしまうことも、採用失敗の一つでしょう。

早期離職の目安は「3年以内」といわれていますが、入社後すぐの退職には特有の問題が隠れています。

主な原因の一つは、選考時に伝えられた情報と実際の仕事内容や働き方に大きな相違点があることです。

企業が、選考時に良い面ばかりを強調し、現状をしっかり伝えていない場合は注意してみてください。入社後に「思っていたのと違う」と、入社者に戸惑いを感じさせてしまうでしょう。

たとえば、以下のような状況です。

  • 「実力主義の職場」と説明していたのに、実際には年功序列が強く残っていた
  • リモートワークが可能と聞いていたのに、毎日オフィスへの出社を求められた
  • 「転勤なし」と聞いていたのに、3年ごとに転勤がある事実が後になって判明した

社員が入社後に現実とのギャップを強く感じると、早い段階で離職を考え始めるでしょう。

採用前は、透明性のある情報を提供してみてください。

入社後のフォローアップが不足していた

入社後のフォローアップ不足も、採用の失敗を招きます。

よくあるパターンが、中途入社者を即戦力として期待してしまい、十分な研修を実施せず放置してしまうことです。

中途入社者は、新しい環境での仕事の進め方や社内ルールを十分に理解できていません。適切なフォローがないと、不安やストレスを感じさせてしまうでしょう。

入社者のバックグラウンドに関係なく、入社後の研修や定期的なフィードバックを通じて徹底したサポートを心がけてください。

採用で失敗する企業に共通する特徴

「なぜ採用活動で同じ失敗を繰り返してしまうのか」と悩む企業担当者は多いはずです。
採用に失敗を繰り返す企業には、いくつか共通する特徴があります。

  1. 求職者が働くイメージを描けていない
  2. 集客施策が十分にできていない
  3. 面接プロセスが長い

まず、内定辞退や短期離職が起きる理由には、求職者が企業で働くイメージを描けていないことが挙げられます。

特に新卒生の場合は、自分がどういった先輩と働けて、どういうワークライフが実現するのかを重視する傾向があります。

また、集客施策が不十分であることも、採用活動を失敗する企業の共通点でしょう。

求人広告や個別の採用ページは、自社の魅力をしっかりPRする強力なツールです。うまく活用していないと、求職者はアクションを起こせません。

さらに、面接プロセスの長さも、失敗の要因になり得ます。面接回数が多く合否連絡も遅い場合、選考意欲が下がり、他社へ流れてしまう可能性があります。

上記が当てはまっている企業は、早期に採用活動を見直してみてください。

採用の失敗は教育だけではカバーできない

選考中の失敗を取り戻すために「研修や教育で何とかすればいいだろう」と考える方もいるでしょう。

結論、適材適所でない人材を採用すると、後の教育や研修だけでそのミスマッチは十分に解消できません。

特に、人手不足を埋めるためだけの理由で採用した場合、教育に時間を取られてしまい、企業の生産性に悪影響を及ぼします。

さらに、一度採用した社員が自社に合わないと感じても、すぐに解雇はできません。

これは、労働契約法第16条(※)に基づき、合理的な理由がない限り解雇は無効とされる可能性があるためです。

「ミスが多い」「期待通りの働きをしていない」といった理由での解雇は、不当解雇としてみなされる可能性もあるので注意しましょう。教育や研修でカバーできる部分には限界があるため、採用段階で慎重に最適な人材を見極めることが重要です。

(※)参照:労働契約法16条

採用のミスマッチを防ぐ方法は、こちらの記事でも詳しく解説しています。

採用ミスマッチが起こるのはなぜ?見落としがちな原因と対策を解説

採用の失敗を未然に防ぐ11個の解決策

採用の失敗を未然に防ぐ対策は、大きく以下の11個あります。

  1. 採用基準を明確にする
  2. 採用プロセスを最適化する
  3. 採用担当者のスキルアップを図る
  4. 1人に対して複数人で採用判断する体制を作る
  5. 求人媒体に最適化された採用サイトを構築する
  6. 求職者が求める情報を発信する
  7. 適切な媒体で求人を出稿する
  8. 内定者に継続的なフォローをする
  9. 入社後の教育体制を整える
  10. 会社全体で採用活動に取り組む
  11. 採用支援サービスを導入する

採用基準を明確にする

採用基準は、最適な人材を確保するだけでなく、採用後のミスマッチを避けるためにも重要な要素です。

採用基準を明確に定めることで、優秀な人材を逃すリスクや、採用後のミスマッチを防ぐ効果が期待できるでしょう。

基準を設定する際は、現場が求めるスキルや活躍中の社員の特徴を整理してみてください。どのような人物が、会社にとって最適かを定めるポイントになります。

また、書類選考や面接の際にどこを評価するかを決めることで、よりスムーズな採用活動が可能になります。

ただし、採用基準は企業の要求だけを羅列するだけではいけません。全ての候補者が同じ条件で平等に評価されるような基準を整えてみましょう。

採用プロセスを最適化する

同じ失敗が増えている場合、採用活動全体において改善を図る必要があります。

採用プロセスは、一般的に採用計画の立案から求人情報の提供、選考から内定、入社の流れで構成されています。

売り手市場が続く昨今では、求職者の選ぶ力が強くなっています。

「求職者が求める情報を提供できているか」「採用が長期化していないか」「適切な採用媒体を選定しているか」といった、全体のプロセスを見直す必要があるでしょう。

採用担当者のスキルアップを図る

採用担当者のスキルアップは、採用成功において切っても切り離せません。

担当者が面接スキルや評価能力を向上させることで、企業に合った最適な人材を見極める精度が高まります。

具体的スキルアップのポイントとして、以下が挙げられます。

  • 適切な質問ができる能力
  • バイアスを排除した公平な評価
  • 最新の採用トレンドや技術の理解
  • 候補者との信頼関係を築くコミュニケーション力

採用は、単に企業が候補者を選ぶだけでなく、候補者が企業を選ぶプロセスでもあります。これらのスキルを向上させることで、採用の精度が高まるでしょう。

1人に対して複数人で採用判断する体制を作る

複数人で採用判断できる体制作りも重要です。

1人の担当者だけで採用活動すると、個人的な偏見や主観が影響しやすくなります。複数の採用担当者が関与することで、より公平で客観的な判断ができるでしょう。

採用担当者を選抜する際は、異なる部署や役職の担当者を参加させてみてください。

たとえば、技術的なスキルは専門の担当者が、コミュニケーション能力は他の担当者が見ることで、全体的な評価ができるようになります。

求人媒体に最適化された採用サイトを構築する

求人媒体に最適化された採用サイトを構築することで、採用の失敗を軽減できます。

従来の求人方法では、白背景に黒文字のみの募集要項をただ並べただけのシンプルな形式が一般的でした。しかしこの形式では、職場環境や社員の様子、実際に働く雰囲気を知る手段が限られています。

そこで、適切な求人媒体と連携できる個別の採用サイトを構築すれば、求人の拡散だけでなく自社情報を効率よく発信できるでしょう。

実際に、採用サイトがある企業とない企業では、企業の印象は大きく変わります。採用サイトをしばらく更新していないという企業は、ぜひ見直してみてください。

求職者が求める情報を発信する

求人内容には、求職者が本当に知りたい情報の積極的な発信が欠かせません。

従来型の求人媒体では、給与や休日、福利厚生などの基本情報しか掲載していないことが一般的でした。

しかし、現代の求職者は、それ以上のものを求めています。働く環境や柔軟な働き方、成長機会など、職場選びの際に重視するポイントは多岐にわたります。

こうした求職者が魅力に感じられる情報を取り入れることで、採用後のミスマッチを減らし、適切な人材を効果的に採用できるでしょう。

適切な媒体で求人を出稿する

採用の失敗を防ぐには、適切な媒体で求人を出稿しましょう。

求人媒体の選定は、母集団形成の失敗や採用ミスマッチを防止する重要な作業のひとつです。

「応募がこない……」「欲しい人材に出会えない……」という悩みを持つ企業は、求人媒体の選定ミスを起こしているかもしれません。

各求人媒体には、それぞれ特性があります。媒体のユーザー層や求人掲載の仕組み、掲載費用、応募から採用までのフローを理解し、採用ニーズに合致した媒体を選びましょう。

また、採用ホームページと連携できる求人媒体は、会社の魅力や仕事内容を詳しく発信できます。会社のことを理解してもらいやすいため、採用サイトと連携できる求人媒体を活用してもいいでしょう。

内定者に継続的なフォローをする

採用活動は、内定を出した段階で終わりではありません。むしろ、内定後こそ重要なフォローが必要です。

優秀な学生ほど、複数の企業から内定をもらっています。企業が内定者の存在を軽視すれば、他社に流れてしまうかもしれません。

そのため、内定後の定期的な連絡や企業イベントへの招待、先輩社員との交流機会を設けるなど、しっかりと関わり続けてみてください。

内定後も、企業が自分を気にかけているという実感を持ってもらうことで、学生の企業への信頼感とロイヤルティが高まるでしょう。

入社後の教育体制を整える

入社後の教育体制も整備しましょう。

適切な教育体制が整っていないと、新卒や未経験者の場合、入社後に業務や企業文化に適応できず、ストレスを感じやすくなります。これが原因で、早期離職につながるケースは少なくありません。

できれば、入社後しばらくは、2〜3ヶ月ごとに定期的な面談を実施してみましょう。「業務で困っていることはないか?」「人間関係で悩んでいることはないか?」などを聞いて、社員の現状を把握してください。

また、入社後の教育体制が整っていることは、採用ブランディングにもつながります。
特に、キャリア開発に熱心な企業は、成長志向の高い人材にとって大きな魅力になるでしょう。

会社全体で採用活動に取り組む

採用活動は、人事部だけの責任ではなく、企業全体で取り組むべき重要な課題です。

採用の成功は、企業の将来に直結し、生産性の維持や向上に大きな影響を与えます。そのため、人事部や経営陣、そして現場の社員が協力し合い、全社一丸となって採用活動に取り組む必要があるでしょう。

たとえば、現場は実際の業務内容を理解しているため、より的確なペルソナ設定や採用方針の見直しに貢献できます。経営陣は、企業のビジョンを示し、採用戦略の方向性を定める重要な役割として欠かせません。

全社で協力して採用活動に挑むことで、採用失敗を回避するだけでなく、組織力の向上にもつながるでしょう。

採用支援サービスを導入する

採用支援サービスの導入は、採用失敗を防止するための有効な手段です。

採用支援サービスとは、企業の採用活動全般をサポートする外部の専門サービスのこと。必要な人材を効率的に採用するための幅広いサポートを提供します。

採用に失敗する理由の一つに、特定の問題だけにフォーカスして改善しようとする点が挙げられます。たとえば、以下のようなケースです。

  • デザイン会社に採用サイトを依頼し、魅力的なビジュアルを作ってもらう
  • 求人広告に予算を投じ、求人媒体での露出を増やす

これらの施策は、一時的な効果を発揮する場合もありますが、部分的なサポートで終わってしまうケースが多いでしょう。

採用支援サービスは、単なる部分的な支援に留まらず、採用活動全体をカバーします。
採用活動のボトルネックの洗い出しから応募者との接触、面接、内定後のフォローアップまで、トータルでサポートしてくれるでしょう。

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まとめ:採用失敗の原因を解消して人材獲得を強化しよう

採用活動で成功を収めるためには、表面的な改善にとどまらず、採用プロセス全体に対して包括的に取り組む必要があります。

単に求人広告を出す、採用サイトをデザインする、といった部分的な施策だけでは、根本的な採用問題の解決には至りません。採用失敗の原因をしっかり見極め、採用フロー全体の最適化を図ることが、人材獲得の強化につながるでしょう。