BtoB企業のオウンドメディア成功事例10選!事例からわかる秘訣を紹介

オウンドメディアの運営は、BtoB企業において重要なマーケティング戦略の一つです。

しかし、目的によって戦略が異なるため、戦略設計のポイントはそれぞれに異なります。

「BtoBオウンドメディアを運営するにも何から手を付けていいかわからない……」
「BtoB企業がオウンドメディアを導入するメリットはあるのか?」

このような悩みを持つ担当者は少なくないでしょう。

そこで本記事では、BtoB企業のオウンドメディアの重要性メリット運用する手順について解説します。成功事例10選も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事の内容

BtoB企業がオウンドメディアを運用する目的とは?

BtoB企業がオウンドメディアを運営する主な目的は、以下の3つです。それぞれに詳しく見ていきましょう。

  1. リード獲得など自社事業への貢献
  2. オウンドメディアの事業化
  3. 会社としてのメッセージ発信

リード獲得など自社事業への貢献

まず、リード獲得など自社事業への貢献です。

メルマガ会員数や資料請求数を増やせば、見込み顧客数の獲得や売上アップにつながるでしょう。

また、見込み顧客が商品やサービスを利用しリピーターになってくれれば、ナーチャリングにもつながります。

オウンドメディアの事業化

オウンドメディアを事業化することも目的に挙げられます。

事業化を目的とした場合はコストがかかりますが、コスト以上の成果を挙げられれば収益だけでなく、企業のブランディング化にもつながるでしょう。

その結果、顧客との信頼関係を構築できれば、企業の評価も向上します。

会社としてのメッセージ発信

会社からのメッセージ発信ツールとしても、オウンドメディアは活用できます。

BtoB企業が、見込み顧客に対してアプローチする場合に有効なのは、顧客が知らない商品やサービスの魅力を伝えることです。

オウンドメディアを活用して有益な情報を発信すれば、顧客はいつでも好きなタイミングでサイトにアクセスし情報を収集できます。

この場合に重要なのは、良質なコンテンツを取り入れることです。コツは必要ですが、顧客にとって有益な情報を発信すれば、企業の評価が上がるでしょう。

BtoB企業がオウンドメディアを運営するメリット5つ

それでは、BtoB企業がオウンドメディアを運営するメリットを5つ紹介します。

  1. 競合が少なく専門性の高いコンテンツを作成できる
  2. ターゲットを絞りやすく潜在層にアプローチできる
  3. 中長期的に安定した集客につなげられる
  4. ブランディング化を図れる
  5. 商品やサービスへの関心を高められる

競合が少なく専門性の高いコンテンツを作成できる

競合が少なく、専門性の高いコンテンツを作成できます。

これまで、オウンドメディアはBtoC企業が戦略として導入するのが一般的でした。

しかし、専門性の高いコンテンツを作成し効果的に情報を発信できることから、徐々にBtoB企業でもオウンドメディアを導入するようになってきています

とはいえ、まだまだ母数は多くありません。競合との差別化を図りやすいのは大きなメリットといえるでしょう。

ターゲットを絞りやすく潜在層にアプローチできる

BtoB企業がオウンドメディアを導入すれば、ターゲットを絞りやすく、潜在層にアプローチできます。

BtoB企業においてのターゲットは、自社商品やサービスの存在を知っていても、具体的な検討には至っていない企業です。

前述の通り競合が少ないため、潜在層に対して有益な情報を発信し続ければ、潜在層にも効果的なアプローチが可能になるでしょう。

中長期的に安定した集客につなげられる

そもそも、オウンドメディアの運営は中長期的な運営を前提としています。

もちろん、コンテンツの最適化やSEO対策など、有益な情報を発信し続けるために継続的な努力は欠かせません。

しかし、質の高いコンテンツを配信していれば、Googleからも良質なサイトと認識されるようになり、検索結果の上位表示を狙えます

広告を出稿しなくても見込み客との接点を持てるため、コスト削減にもつながります。さらに、コンテンツは資産として残るため、中長期的に安定した集客につながるでしょう。

ブランディング化を図れる

ブランディング化を図れるのもメリットです。

オウンドメディアによって自社の認知度が高まれば、より多くの顧客の目に留まるでしょう。

自社独自の取り組みなど強みをアピールして、競合との差別化を図れば、ブランディングの強化も可能です。

オウンドメディアで実績を成功事例として紹介すれば、信頼できる企業とアピールできます

商品やサービスへの関心を高められる

オウンドメディアで、自社商品やサービスを利用するベネフィットを訴求すれば、商品やサービスへの関心を高められます。

顧客ニーズを徹底リサーチすれば、顧客が抱えている課題や問題も見えてくるでしょう。

しかし、潜在層には的確に商品やサービス内容を伝えるのは容易ではありません

そこで、オウンドメディアで課題を解決する方法を提供すれば、潜在顧客の関心度を高める効果が期待できます

テキストだけでなく、画像や動画を使って具体的に伝えられるのもメリットといっていいでしょう。

BtoB企業がオウンドメディアを運営する際の注意点

では次に、BtoB企業がオウンドメディアを運営する際の注意点を3つ紹介します。

  1. 短期間での成果は期待できない
  2. 運用にランニングコストやリソースがかかる
  3. SEOなど専門知識が求められる

短期間での成果は期待できない

オウンドメディアは、短期間での成果は期待できません。

まず、オウンドメディアの作成にも少し時間がかかりますし、完成してから上位表示されるまでにも時間が必要です。

そこから成果につなげるまでには、早くても3ヶ月~6ヶ月程度はかかるでしょう。1年間以上かかることも少なくありません

オウンドメディアは、中長期的な運用を前提としていることに留意してください。

運用にランニングコストやリソースがかかる

運用には、ランニングコストやリソースがかかります。

オウンドメディアで顧客にとって有益な情報を発信し続けるには、定期的な見直しと改善が欠かせません。

さらに、古いコンテンツは信頼性にも影響するため、常にコンテンツを更新し、最新の情報を発信することも大切です。

オウンドメディアを管理するためには自社リソースを消費します。管理を外注する場合は、外注費もかかるでしょう。

SEOなど専門知識が求められる

オウンドメディアを最適化し成果を出すには、SEOなどの専門的知識が求められます。

まず、多くの顧客に関心を持ってもらうには、検索結果で上位表示される必要があります

しかし、効果的なSEO対策の実現には、専門的な知識が必要です。

自社にSEO対策ができる人材がいない場合は、外注を検討しなければなりません。自社の社員がSEOにつき学べば外注せずに済みますが、スキルの取得までには時間がかかります

オウンドメディアを運営し成果を上げるには、SEOなどの専門的知識を持つ人材が必要になることに留意しましょう。

BtoBオウンドメディアを運用する手順5ステップ

BtoBオウンドメディアを運営する手順には、5つのステップがあります。それぞれに詳しく見ていきましょう。

  1. 運用の目的とゴールをはっきりさせる
  2. テーマを決定する
  3. ターゲット・ペルソナを設定する
  4. カスタマージャーニーマップを作成する
  5. CMSを用意してコンテンツを作成する

運用の目的とゴールをはっきりさせる

まずは、なぜオウンドメディアを運用するのかという「目的」と、最終的な「ゴール」を明確化します。

目的やゴールが曖昧なままオウンドメディアを立ち上げても、軸が定まっていなければ成果にはつながらないでしょう。

目的を決めておけば、必要なコンテンツも決まってきます

目標は漠然としているよりも、具体性を持たせ設定しておきましょう。一気にゴールを目指すよりも、段階を決めてそれぞれにゴールを設定するのもポイントです。

テーマを決定する

次に、テーマを設定します。

最初に目標を決めておけば、テーマも設定しやすいでしょう。

ここで重要なのが、見込み顧客のニーズに合わせることです。テーマを決める際は、目標だけでなく、見込み顧客のニーズを徹底リサーチし分析する必要があります。

ターゲット・ペルソナを設定する

ターゲットやペルソナ設定も重要な項目です。

自社商品やサービスをアピールしたいターゲットを設定する場合は、ペルソナ設定が役立つでしょう。

通常のペルソナは、ターゲットの性別や年齢、ライフスタイルなど、架空の人物を設定します。

BtoB企業では、企業情報や部門、担当者の役職や決裁権の有無などを設定しましょう。

カスタマージャーニーマップを作成する

そして、カスタマージャーニーマップを作成します。

カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスを知り、導入に至るまでの工程を図で示したものです。

  • ペルソナ設定
  • 縦軸の項目設定
  • 横軸に項目ごとの状態
  • 顧客の行動や感情

上記をまとめますが、インターネット上から無料でダウンロードできるテンプレートを使えば簡単に作成できます。

CMSを用意してコンテンツを作成する

最後に、CMSを用意してコンテンツを作成します。

CMS(Contents Management System)は、オウンドメディアの運用に欠かせないツールです。

コンテンツの保存や管理、編集や更新などを一元管理できます。

CMSには、オープンソース型・パッケージ型・クラウド型など種類があり、それぞれに特徴や使い勝手は異なります。

「WordPress」は、使い勝手やカスタマイズ性に優れており、無料で始められるのも魅力です。

自社の目的に合わせて、使いやすいCMSを選ぶといいでしょう。

BtoB企業におけるオウンドメディアの成功事例10選

では最後に、BtoB企業におけるオウンドメディアの成功例10選を紹介します。

  1. 株式会社キーエンス「バーコード講座」
  2. 株式会社メルカリ「mercan」
  3. freee株式会社「経営ハッカー」
  4. サイボウズ株式会社「サイボウズ式」
  5. ナイル株式会社「SEO相談室」
  6. 株式会社マネーフォワード「Money Foward Bizpedia」
  7. 株式会社LIG「LIGブログ」
  8. LINE株式会社「OnLINE」
  9. 株式会社インターパーク「テレアポ職人の秘伝の技」
  10. 株式会社ウィルオブ・ワーク「ウィルオブ採用ジャーナル」

株式会社キーエンス「バーコード講座」

株式会社キーエンスが運営する「バーコード講座」は、バーコードに特化したオウンドメディアです。

基礎原理から読み取りや印字方法まで、バーコードをよく知らない人が見ても理解できるように豊富なコンテンツで情報を発信しています。

サイトのコンテンツを、PDF形式でダウンロードできるようにしているのも特徴です。

ニッチなキーワードですが、専門性の高さで競合と差別化を図っています。

株式会社メルカリ「mercan」

株式会社メルカリが運営する「mercan」は、メルカリで働く社員による情報発信がメインです。

社内の雰囲気や出来事など、通常では知ることができないリアルな情報を入手できます。

採用を目的としていますが、求人票では得られない、社内のリアルな状況を提供することで、求職者に安心感を与えているのがポイントです。

freee株式会社「経営ハッカー」

freee株式会社が運営する「経営ハッカー」は、中小企業の経営者に向けて情報を発信しています。

自社が提供する会計ソフト「Freee会計」の使い方を始め、決算・資金繰り・会計管理など、会社経営に役立つ情報を発信しています。

コラムや動画などコンテンツも充実しているので、ターゲットが欲しい情報をわかりやすく発信しているのも特徴です。

サイボウズ株式会社「サイボウズ式」

サイボウズ株式会社が運営する「サイボウズ式」は、インタビュー形式で情報を発信しています。

会社や組織の他にも、働き方や生き方、家族と仕事など、幅広い層を対象にしているのもポイントです。

仕事だけでなく、プライベートでの悩み事を相談する相手がいない方でも、記事を読めば解決策を見出だせるよう構成されています。

ナイル株式会社「SEO相談室」

SEO相談室」は、コンバージョンを増やしたい企業を対象に、SEOに関するさまざまなサービスを提供するナイル株式会社が運営するオウンドメディアです。

サイトでは、SEOコンサルティングを始め、コンテンツマーケティング支援やSEO研修など、提供するサービスの紹介をしています。

各サービスには詳細ページへのリンクがあり、詳しいサービス内容の他、過去の実績なども紹介。ページごとに、無料相談や見積もりへのCTAも効果的に設置されています。

株式会社マネーフォワード「Money Foward Bizpedia」

Money Foward Bizpedia」は、株式会社マネーフォワードが運営するオウンドメディアです。

自社商品の認知拡大を目的にしていますが、バックオフィス系業務をサポートするコンテンツも充実しています。

会計士や税理士など、専門性の高いコンテンツを充実させ、競合他社との差別化を図っているのも特徴です。

株式会社LIG「LIGブログ」

LIGブログ」は、株式会社LIGが運営するブログ形式のオウンドメディアです。

特徴的なのは、コンテンツが充実していること。

自社が提供するサービスに関するもの以外にも、エンタメ系の記事が多く見られます。

中には社員へのインタビューや、社員の日常などユニークな記事もあり、独自性をアピールしているのが特徴的です。

独自コンテンツで、競合他社との差別化に成功しているといえるでしょう。

LINE株式会社「OnLINE」

OnLINE」は、LINE株式会社のオウンドメディアです。

社内で取り組んでいるさまざまなチャレンジを紹介しています。

  • VISION
  • CULTURE
  • WORKS

3つのカテゴリーがあり、それぞれのカテゴリーでLINE社への理解を深められる内容になっているのが特徴的です。

社員へのインタビューなどもあるので、求職者が知りたい情報を効果的に発信している成功例といっていいでしょう。

株式会社インターパーク「テレアポ職人の秘伝の技」

テレアポ職人の秘伝の技」は、テレアポのクラウドサービスを提供する、株式会社インターパークが運営するオウンドメディアです。

サイトでは、料金や30日間のお試し利用についての情報の他、テレアポ職人の秘伝の技やブログ記事なども紹介されています。

テレアポに特化した情報を発信しながら、自社サービスの認知度拡大を図っています

テレアポ業務に関する専門的な情報を発信しつつ、各ページでは無料お試しやブログへのリンクも効果的に設置されているのが特徴です。

株式会社ウィルオブ・ワーク「ウィルオブ採用ジャーナル」

ウィルオブ採用ジャーナル」は、人材支援を行っている株式会社ウィルオブ・ワークが運営するオウンドメディアです。

元々はアウトバウンドマーケティングをメインにしていましたが、思うような成果が上がらないため、インバウンドマーケティングに切り替えコンテンツを一新しました。

その結果、一桁だった問い合わせ数が、約30倍近くまでアップし、売り上げ向上につながっています。

成果を出すことに集中して、コンテンツを一新することで目標を達成した成功例といえるでしょう。

まとめ:BtoB企業のオウンドメディアは中長期的目線で運用しよう

オウンドメディアは、中長期的な運用を前提としているため、成果が出るには時間がかかります。

しかし、オウンドメディアを導入しているBtoB企業は少ないため、競合他社との差別化を図るには有効な手段といえるでしょう。

本記事で紹介した注意点や運用するステップを参考にしながら、BtoB企業のオウンドメディア運用を成功させてください。