ホームページは、現代のビジネスにおいて欠かせません。
ホームページがないことで、見逃している可能性のある機会やリスクもあります。また、ホームページの必要性はさまざまです。
そこで本記事では、ホームページの必要性について解説し、ホームページを作成しないことによる5つの弊害を紹介します。ホームページの作成で迷われている方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の内容
ホームページを持たない理由や必要性とは?

結論から言うと、ホームページは企業や店舗にとって、信頼や透明性を伝えるうえで欠かせません。
そのような中でも、ホームページを持たない事業者には、いくつか共通する背景があります。
たとえば、すでに固定顧客がいて、紹介で十分に仕事が回っている場合「ホームページがなくても困らない」と考えるのは、自然なことでしょう。
また近年では、InstagramやLINE公式などのSNSを活用して、リアルタイムに情報発信し、顧客との関係を築いている企業も少なくありません。
そうした流れもあり「ホームページがなくても集客できる」「コストや手間を考えると優先順位が低い」などの理由で、ホームページの必要性を感じていない方も一定数存在します。
しかし、SNSだけに頼る集客には限界があるのも事実です。SNSの投稿はすぐに流れてしまい、企業の情報を体系的に伝えるうえで最適ではありません。
そこでホームページは、会社概要やサービス内容、実績、お問い合わせ先などを整理して伝える「信頼のある情報源」として機能します。
特に取引先企業や求職者の多くは、まずホームページを見て「この会社は信頼できるか」を判断する傾向があります。
こうした点から、会社の信頼を得るためにも、ホームページを整備しておくとよいでしょう。
ホームページの7つの必要性

ホームページが必要である理由を、もう少し具体的に7つの視点から解説します。
- 購入前の情報収集方法で検索エンジンがトップにある
- スマホの普及でウェブの重要性が高まっている
- ホームページがないと会社の信頼性が落ちる
- 見込み顧客や求職者も情報収集でホームページを確認する
- 低コストでマーケティングを実践できる
- 国内や海外へと商圏を拡大できる
- アクセス解析でユーザーニーズを把握できる
購入前の情報収集方法で検索エンジンがトップにある
製品やサービスを購入する前の情報収集に、多くの人が検索エンジンを利用しています。
運用型UGC活用ツール「Letro(レトロ)」の「生活者の購買行動におけるUGC影響度調査 2022」によると、購入・来店前に情報を探す場所は「検索エンジン(46.6%)」がトップでした。
続いて「店頭(26.8%)」「テレビCM・番組(24.2%)」と続いています。
ホームページを持つことで、検索エンジンの上位に表示されることが可能となり、ユーザーにアクセスしやすくなります。
スマホの普及でウェブの重要性が高まっている
多くの人がスマホを使用してインターネットにアクセスし、情報収集やサービスを利用しています。
総務省「情報通信白書令和4年版」によると、2021年のインターネット利用率(個人)は82.9%です。
スマホは手軽に持ち運べるため、いつでもどこでも情報にアクセスできます。
企業はインターネット上で製品やサービス情報を提供することで、ビジネスの機会を逃さずに掴めるでしょう。
ホームページがないと会社の信頼性が落ちる
会社名を検索してもホームページが表示されないと「この会社は大丈夫だろうか?」と不安を感じる人も少なくありません。
特にBtoB取引においては、企業の信頼性を判断する材料として、ホームページの有無は大きな影響を与えます。
また、見込み顧客が問い合わせ前に、会社の実績やサービス内容を確認できる場としても、ホームページは有効です。
SNSや口コミ情報はあくまで補足的な役割であり、企業自身が発信する公式情報としての信頼性には限界があるでしょう。
そのため、ホームページがあるかどうかは「信頼できる会社かどうか」の分かれ目にもなり得るといっても過言ではありません。
見込み顧客や求職者も情報収集でホームページを確認する
見込み顧客や求職者が企業を調べる際に、検索エンジンで調べるのが一般的です。
ここで公式サイトが存在しない場合、せっかく興味を持っても不信感が残り、問い合わせや応募にはつながりにくいでしょう。
特に求職者にとって、ホームページは職場の雰囲気やビジョンを知る重要な情報源です。求人票やSNSでは分かりにくい細かな企業情報を確認できれば「応募する・しない」の判断材料になるといっても過言ではありません。
また、見込み顧客が複数の会社を比較する際にも、ホームページの充実度は「選ばれる理由」のひとつになります。
信頼を得るだけでなく「選ばれる企業」になるためにも、ホームページの整備は欠かせません。
低コストでマーケティングを実践できる
ホームページは、比較的低コストで効果的なマーケティングを実践できます。
他の広告手法に比べて制作・運用コストが低く、24時間365日の営業が可能です。
また、SEO対策やコンテンツマーケティングを活用することで、検索エンジン経由での集客や顧客の獲得につなげられます。
ホームページは、費用対効果の高いマーケティング活動が実現できるツールと言えるでしょう。
国内や海外へと商圏を拡大できる
ホームページがあれば、全国はもちろん、海外への販路拡大にもつながるツールとして活用できます。
特に小規模事業者や地方企業にとっては、Web上に情報を載せるだけで、今まで接点のなかった遠方の顧客とつながるチャンスが広がるでしょう。
たとえば、東京の企業が地方の専門業者を検索してホームページにたどり着くケースもあります。また、英語対応ページを用意すれば、海外の取引先にも自社をアピールできます。
商圏拡大を見据えるなら、まずは「見つけてもらう」基盤として、ホームページの整備が第一歩になるでしょう。
アクセス解析でユーザーニーズを把握できる
ホームページは、ユーザーの行動や興味を可視化できる「アクセス解析」の仕組みを活用できます。
たとえば、Googleアナリティクスを活用すれば、以下のような行動傾向を具体的なデータで把握できます。
- どのページがよく見られているか
- 訪問者がどこから来たのか
- 問い合わせや資料請求などにどれだけつながっているか
この情報をもとに、ページ内容の改善や新たなサービスの開発に活かせば、より効果的なマーケティング施策や集客戦略を立案できます。
また、サイト内の導線設計やコンバージョン率の向上にもつながるため、育てていける資産として活用できる点は大きなメリットでしょう。
こうしたデータ活用の柔軟性は、紙媒体やSNSだけでは得られない大きなメリットです。
業界別のホームページの必要性

では、業界別にホームページの必要性を具体的に解説します。
- 美容室
- 飲食店
- 建設業
- 製造業
- 自治会
- 士業
美容室
コンビニの数よりも多いと言われる美容室の集客に、ホームページは欠かせません。
美容室のホームページは、サロンの魅力や提供するサービス、スタッフの紹介、予約方法などを掲載して、顧客に対して信頼性や専門性をアピールできます。
また、予約システムを導入することで、顧客の予約手続きをスムーズにし、効率的な営業を実現可能。施術の効果やアフターケアの情報も掲載すると、顧客の満足度やリピート率も高められるでしょう。
飲食店
飲食店のホームページは、情報発信や顧客とのコミュニケーションツールとして役立ちます。
メニューや料理の写真、店内の雰囲気、アクセス情報、営業時間などの情報発信もホームページを通じて行えます。加えて、期間限定の特別メニューやイベントの告知にも有効でしょう。
オンライン予約やテイクアウトの受付、クーポンや特典の案内など、便利な機能も設置できます。集客や顧客満足度の向上も期待できるでしょう。
建設業
建設業においてホームページは、事業の信頼性と専門性を顧客に伝えられます。
特に建設業は、信頼性が求められる業界であるため、自社の経験、技術力、実績を詳細に示すことが重要です。
過去の実績や施工事例の紹介、提供するサービスや技術、企業の特徴などを発信することで、顧客へ安心感と信頼性を与えられます。
また、問い合わせフォームや見積もり依頼フォームを設けることで、顧客とのコミュニケーションをスムーズに行い、新規の受注機会を増やせるでしょう。
製造業
製造業におけるホームページは、製品の情報提供、ブランドの構築、および顧客サポートの効率化に重要なツールです。
消費者やビジネスパートナーは、ホームページを通じて製品の特性、仕様、品質保証など必要な情報が得られます。製品の価値を理解して、購入や提携を検討しやすくなるでしょう。
また、製品の画像や動画、製造過程の解説などを通じて、自社のブランドイメージ強化も可能。製品の品質と企業の信頼性を視覚的に表現し、消費者の購買意欲を刺激する役割を果たします。
自治会
自治会のホームページは、地域住民とのコミュニケーションを促進し、情報共有のプラットフォームとして機能します。
自治会の活動計画、イベントスケジュール、重要なお知らせなどの情報を掲載することで、住民は最新の情報を得られます。
全員が関連情報を効率的に確認できるため、活動への参加も促進されるでしょう。
また、問い合わせフォームや会員登録フォームを設けることで、住民との連絡や意見交換を円滑に行えます。
地域住民同士の信頼関係を深めて、地域の活性化にもつながるでしょう。
士業
弁護士・税理士・社労士・司法書士などの「士業」は、専門性が高く信頼が求められる職業です。そのため、ホームページの有無が、そのまま信頼性の判断材料になることが少なくありません。
実際に多くの依頼者は、まずインターネットで検索し、比較・検討をしたうえで問い合わせや相談予約する傾向があります。ホームページがなければ、他の士業と比較対象にすら入らず、見込み顧客との接点を逃してしまうでしょう。
また、業務内容が複雑な士業では、対応可能な業務や費用の目安、事務所の方針や雰囲気を伝えるコンテンツを用意すると、問い合わせのハードルを下げる効果も期待できます。
さらに、士業は紹介での集客が主流と思われるかもしれませんが、Webで「地域名・〇〇士」と検索する人も増えてきました。地域名や専門分野を意識したSEO対策を行えば、安定的な集客も見込めるでしょう。
ホームページの必要性を高める5つのメリット

ホームページを作成する5つのメリットをご紹介します。
- 顧客からの信頼アップにつながる
- 集客力がアップする
- 売上アップにつながる
- 求人募集で優秀な人材を採用できる
- 人件費を削減できる
顧客からの信頼アップにつながる
ホームページは、顧客からの信頼を獲得するためにも重要です。
企業は、自社のビジョンやミッション、サービス、そして製品の詳細をホームページを通じて顧客へ紹介できます。
また、具体的な事例や成功体験を掲載することで、企業の信頼性と専門性を裏付けられるでしょう。
ホームページを閲覧した顧客は、企業が提供する価値を認識でき、信頼の獲得につながります。
集客力がアップする
ホームページは、企業の集客力を強化できる強力なツールです。
SEO(検索エンジン最適化)の施策を実行すれば、企業は検索エンジンの結果ページでより上位に表示されます。
ホームページから見込み客のアクセス数が増えるため、集客力アップが実現可能です。
売上アップにつながる
ホームページは、売上アップにもつながります。
製品やサービスの詳細情報、口コミ、事例紹介などをホームページに掲載することで、消費者の購入意欲を促進できます。
さらに、ホームページ上で商品販売やサービス予約を始めれば、より多くの顧客を獲得できるため、売上アップにつながるでしょう。
求人募集で優秀な人材を採用できる
ホームページを持つことで、優秀な人材を採用する機会を広げられます。
企業のミッションやビジョン、文化を詳細に説明し、なぜその企業で働くことが魅力的なのかホームページ上でアピールできます。
例えば、過去の実績や従業員の紹介、従業員の声などを掲載することで、応募者は企業の価値観や職場環境、人間性を事前に理解しやすいでしょう。
また、求人のエントリーフォームを用いて、求職者の応募を手軽で効率的に受付できます。採用プロセスの流れがスムーズになり、優秀な人材を逃さずに済む可能性も高まるでしょう。
人件費を削減できる
ホームページは、企業の人件費削減にもつながります。
例えば、顧客からの質問に対応するためのFAQセクションを設けることで、カスタマーサービスの担当者が手作業で同じ質問に何度も答える手間を省けます。
また、オンラインで商品やサービスを直接販売することで、店舗運営に関連する人件費や家賃の削減もできるでしょう。
ホームページを作成する2つのデメリット

ホームページを作成するデメリットもあります。主なデメリットを2つご紹介します。
- コストがかかる
- 戦略立案と運用・更新が必要になる
コストがかかる
ホームページを作成して運用するためには、さまざまなコストが発生します。
具体的には、制作費用やドメイン・サーバー費、継続的な保守と更新の費用が含まれます。
また、ホームページのセキュリティ強化にもコストがかかる場合もあります。
必要な費用は、ホームページの規模や機能にもよって異なりますが、更新作業はインハウス化するといった工夫次第でコストをおさえられるでしょう。
戦略立案と運用・更新が必要になる
ホームページは制作した後も、適切な運用・更新が必要です。
戦略立案やSSL化のほか、高品質なコンテンツ制作、SEO対策といった定期的な更新作業には、時間と手間がかかります。
また、ユーザーの行動や市場動向に応じて、ホームページの設計やコンテンツの見直しも求められるでしょう。
ホームページを持たないことで起こりうる5つの弊害

ホームページを持たないことで起こりうる弊害は5つあります。
- 顧客からのイメージが悪化する
- 競合他社に勝てない
- 持続的な宣伝効果が望めない
- 問い合わせの窓口が確保できない
- 新入社員を獲得できない
顧客からのイメージが悪化する
ホームページを持たない企業は、消費者やパートナー企業からのイメージが悪化する恐れがあります。
インターネットが普及し、今やホームページは、どの企業でも保有していて当たり前と言える時代になりました。
ホームページを持たない企業は、企業の信頼性や専門性に対する疑念を抱かれる可能性があります。
競合他社に勝てない
ホームページを持たないことは、競合他社との差別化や競争力の向上に影響を与えます。
例えば、競合他社が製品情報やサービスの提供内容をホームページで公開している場合、顧客は必要な情報を得られます。
一方で、ホームページがなければ顧客は情報を手軽に確認できません。不便さから競合他社と遅れをとってしまうでしょう。
持続的な宣伝効果が望めない
ホームページを持たないと、持続的な宣伝効果は得られません。
テレビやラジオ、新聞広告など宣伝手段は、効果が一時的になりがちですが、ホームページは、24時間365日続けて情報を発信可能です。
顧客に対して企業や製品・サービス情報の持続的な宣伝効果を得られます。
ホームページを持つことで、潜在的な顧客にアプローチし、ビジネスの成長にもつながるでしょう。
問い合わせの窓口が確保できない
ホームページは、顧客が企業に問い合わせる窓口にもなります。
顧客が問い合わせを行う際に、ホームページがないとどこに相談していいかわかりません。
すると、販売機会の損失や顧客満足度の低下にもつながります。
新入社員を獲得できない
ホームページを持たないことは、新入社員の獲得にも影響を及ぼします。
現代の求職者は、インターネットを活用して企業情報を収集し、エントリーもWeb上で完結させています。
ホームページを持たない企業は、求職者に対して情報提供や魅力的なキャリアパスの提示ができません。
ホームページを持つことで、自社の魅力や働く環境を魅力的に伝え、優秀な新入社員を獲得する機会を増やせるでしょう。
ホームページの必要性まとめ

ホームページは、業種問わず、以下の点から必要不可欠な存在です。
- 企業としての信頼性の証明
- 24時間365日の情報発信基地
- ビジネスチャンスの受け皿
SNSの発展や既存の顧客基盤により「なくても困らない」と感じる事業者もいるかもしれません。しかし、長期的な視点で見ると、信頼性・集客力・情報発信力の面でホームページの重要性は非常に高くなっています。
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